【デイリー・コリア・フォーカス】26年6月22日号

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徐台教 2026.06.22
誰でも

皆さま、アンニョンハセヨ。

今日は6月22日です。新しい一週間の始まりですね。今週は6月25日があるため、朝鮮半島問題に関するシンポジウムや発表会がいくつもあります。

6月25日、韓国では「625(ユギオ)」とも呼ばれますが、この日は朝鮮民主主義人民共和国の「南侵」により朝鮮戦争が始まった日です。1950年のことです。その後、1953年7月27日に休戦協定(停戦協定)が結ばれ、今に至ります。

なお、韓国では停戦協定と表現しますが、日本では休戦協定と呼ばれます。KOREAN (WAR) ARMISTICE Agreementなので、翻訳はどちらでも正しいのです。

休戦なのか、それとも停戦なのかという論争(?)は韓国でお決まりのものですが、「停戦協定を結び休戦状態にある」と整理することができます。ここでは休戦協定とします。

私は毎年、6月25日に合わせコラム記事を書いてきました。

昨年25年は朝鮮戦争勃発から75年...南北の平和に日本社会が向き合う時』です。

24年は『[コラム] 朝鮮戦争停戦から71年…映画『脱走』があぶり出す南北の若者の‘今’』でした。

23年は『「戦争では何も解決できない」...朝鮮戦争勃発から73年の今日、知っておきたいこと』でした。

2022年には書いていません。同年5月に尹錫悦氏が大統領に就任したばかりでした。候補時代から、その乱暴な朝鮮半島観にうんざりしたため、書かなかった記憶があります。

21年には『韓国に初上陸、ピカソの名画<韓国での虐殺>から朝鮮戦争を考える』でした。これはYoutubeも作ったのですが、なかなか好評でした。

20年には『朝鮮戦争勃発から70年、終わりのない「休戦」』でした。

キリがないのでやめますが、それくらい大事な日であるということです。その時々で結構大切なことを書いていると思うので、お時間ある方はぜひご一読ください。

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1. 答えのない朝鮮半島問題

そして今日22日、統一部が主催するシンポジウムがソウル市内でありました。統一部とは、南北間の対話や人道支援、経済交流、朝鮮の人権問題、さらに脱北民の定着支援などを行う政府部署です。

シンポジウムのタイトルは『2026 国際韓半島フォーラム 韓半島の平和共存のための市民社会の役割と提言』というものでした。

毎年おこなわれているこのシンポジウムは、その時々の政権が掲げる対北政策を支持し、それをどう実現するのかを考えるというテイで行われます。

今日は二日間の日程のうち一日目。冒頭のセッションは、韓国のベテラン外交専門家の文正仁(ムン・ジョンイン)延世大学名誉教授と、先月韓国にも翻訳された、米国の対北政策をまとめた大著『FALL OUT』の著者であるジョエル S. ウィット(Joel S. Wit)、そして北京大学の王栋(ワン・ドン)国際関係学院教授の鼎談でした。

『FALL OUT』。600ページ超の大著です。私はつまみ食い読み中です。筆者撮影。

『FALL OUT』。600ページ超の大著です。私はつまみ食い読み中です。筆者撮影。

約90分にわたる対談では、非核化を絶対に拒否する朝鮮との平和共存は可能か?というテーマが主に扱われました。

様々なシナリオの下で、どのような対価によれば朝鮮が対話に乗り出すのかという話がありましたが、ウィット氏は「今はすべてトランプが決める」と悲観的な立場でした。交渉が役に立たないといった風でした。

一つ興味深かったのは、6者協議の話が出たことでした。

米・中・露・朝・韓・日による会談で、2005年には『9.19合意』という、米朝の関係改善、朝鮮の核放棄、日朝関係の改善などを含むパーフェクトな合意を導きだした枠組みです。2008年12月以降、中断したままのこの枠組みを再び生かすことが話題となりました。

そしてこの日、最も興味深かったセッションがありました。『持続可能な韓半島型の平和共存のための経路の模索』というもので、ひと言で「これまでに全くなかった発想による実践」を考えるものでした。

これを発表した北韓大学院大学の具甲祐(ク・ガブ)教授は、「敵対的二国家」を掲げる朝鮮を前に、韓半島が志向すべき目標を、①韓半島における核戦争の予防、②韓半島の平和共存の制度化、③平和共存を国際規範として作る、という三つに絞り、これをどのように実現するのかを論じていました。

シンポジウムの様子。筆者撮影。

シンポジウムの様子。筆者撮影。

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ここまで書いてきたのですが、今の時間は23時30分です。あと30分以内に送らなければならないので、駆け足で行きます。

今日のシンポジウムでも、幾人かの専門家の中から「まずは朝鮮と呼ぶところから始めるべき」という声が聞かれました。朝鮮が「大韓民国」と呼び、「認証」を求めている以上、そうすべきというのです。

私も二週間くらい前から「北朝鮮」ではなく「朝鮮」と書いていますが、同じような理由によるものです。韓国内で北朝鮮のことを朝鮮と書く専門家はまだまだ少数ですが、今後少しずつ広まっていくでしょう。

シンポジウムのタイトル。筆者撮影。

シンポジウムのタイトル。筆者撮影。

もう一つ、今日のシンポジウムでは、李在明政権の外交安保ラインへの不満も出ました。特に6月10日にEUと韓国政府が首脳会談後に発表した共同声明への批判が相次ぎました。

これは朝鮮の非核化を強く求め、さらに人権状況の改善を「必須」とする内容を含んでおり、対話の可能性を捨てるような内容であるという評価でした。

実際に北側は強く反発しています。この路線は、その間の李在明政府の南北関係改善の努力を水の泡にするものり、こういった内容を李大統領に進言する参謀陣に対する批判が、市民社会から上がるべきという話でした。

この辺は進歩派人士たちによるシンポジウムであるため、こういった論調になる他にないのですが、いわゆる米韓同盟派と自主派(今風に言うと戦略的自律性派)の論争の延長線上にあるものと見られます。

いずれにせよ、今は平和管理こそが求められているという結論でした。平和共存こそが、統一に取って代わる未来像になるという話もあり、色々と新しい路線(これを退歩と見る人たちも保守陣営はじめ大勢います)が台頭している様子でした。

一方で、こうした議論が市民社会に共有され、社会的な対話が行われるべきという話もありました。この辺は、今日のシンポジウムの主題と重なる内容でした。

この辺は、新生「コリア・フォーカス」でリードしていきたい議論です。

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2. 今日の時事韓国語「데드 크로스」

「デドゥ クロス」と読みます。英語では「dead cross」です。韓国語ではないですね(笑)。

世論調査で良い評価と悪い評価が逆転することを指すものです。反対の現象は「골든 크로스(ゴールデン クロス)」と呼ばれます。競争相手に逆転する時などにも使われます。

信頼度の高い世論調査会社「リアルメーター」社が今日発表した定例調査によると、李在明大統領の支持率(国政遂行への肯定評価)が初めて否定評価を下回りました。

6月15日から19日にかけてリアルメーター社が調査したもの。李大統領の国政遂行への肯定評価(青)は46.7%と、否定評価(赤)の49.7%に及ばなかった。4.0%Pが誤差の範囲なので、正確には誤差内ですが、就任後はじめてのことです。

6月15日から19日にかけてリアルメーター社が調査したもの。李大統領の国政遂行への肯定評価(青)は46.7%と、否定評価(赤)の49.7%に及ばなかった。4.0%Pが誤差の範囲なので、正確には誤差内ですが、就任後はじめてのことです。

また、支持率が40%台になったのも初めてです。

理由は何度かお伝えしたような与党・共に民主党の鄭清来(チョン・チョンレ)代表と李大統領の間の軋轢や、投票用紙不足問題の真相究明ができていない点、実体の伴わない株価指数の上昇など、様々でしょう。正念場を迎えているといえます。

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今日はここまでです。

クラウドファンディングは、日曜日を境にめっきり勢いを失ってしまいました。ニュースレターの読者の皆さんだけが頼りです。ご支援や拡散など、よろしくお願いいたします。

今週はシンポジウム出席が多い上に、セミナーでの発表2回にコラムの執筆と、かなりハードです。このバタバタももう少しの辛抱と思い、乗り切っていきます。

それではアンニョンヒケセヨ。(徐台教)

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