【デイリー・コリア・フォーカス】26年6月15日号

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徐台教 2026.06.15
誰でも

皆さま、アンニョンハセヨ。

6月15日、月曜日です。今日は久々の30度超えと暑い一日でした。金浦の自宅に近いカフェから大慌てでお送りしています。

先週金曜日の夜中、無事韓国へと戻ってきました。飛行機の出発がかなり遅れ、家に着いたのは夜中の2時。ヘロヘロでした。

月曜朝から金曜夜までという日本出張スケジュールはなかなかハードでしたが、一方で平日だけあって多くの仕事関連の人々と会うことができ、時間の使い方としてはかなり効率的でした。今後はこのような出張を増やしていきたいものです。

東京で友人と食べたみつ豆。おいしかったです。

東京で友人と食べたみつ豆。おいしかったです。

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土曜日には、ソウルで行われたクィアパレードの取材に出かけました。日本から来たジャーナリストの方々を案内するはずが、私は家の用事のため出発が大幅に遅れ、お役に立てず。

パレードは今年で27回目となる『ソウルクィア文化祝祭』の一貫して行われました。毎年行われ、たくさんの記事が出ていますが、実際に訪れたのは初めてでした。

晴天の下、50以上の出展ブースと共に、パレードも最初から最後まで見ることができました。何よりも驚いたのは、参加者の多様性です。

年齢は若者主体とはいえ幅広く、様々な国籍かつ多様な性的マイノリティの方々が思い思いの格好で歩いている姿は、素晴らしいものがありました。すべての人が伸び伸びと生きられる社会の理想形を見た思いでした。

韓国の集会の名物となった、多種多様な旗。壮観でした。筆者撮影。

韓国の集会の名物となった、多種多様な旗。壮観でした。筆者撮影。

パレードの参加者ばかりでなく、沿道にもたくさんの市民がいました。主催者推定3万人とのことです。筆者撮影。

パレードの参加者ばかりでなく、沿道にもたくさんの市民がいました。主催者推定3万人とのことです。筆者撮影。

パレスチナの旗も。反戦の意識もある集会でした。筆者撮影。

パレスチナの旗も。反戦の意識もある集会でした。筆者撮影。

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日曜日は溜まった家事をこなし、過ぎていきました。

なお、先のニュースレターで写真と共にお伝えしたように、統一地方選における投票用紙不足問題に強い問題意識を持つ集会が、オリンピック競技場付近で週末にも行われていました。

これに行けず残念でしたが、一方で私も韓国の日刊紙の真似をし、関連するコミュニティに加入し情報を集めています。今週末には行って見るつもりです。

それにしてもやはり一週間空けると、読んでおくべきニュースが溜まりますね。という訳で、今日の目次は以下の通りです。

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1. 与野党と衝突…政権発足後、最大のピンチを迎えた李大統領
2. 今日の時事韓国語「포모」

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1. 韓国を中心とする朝鮮半島ニュースの概況

今朝(15日)の京郷新聞を隅から隅まで読む中で把握した、韓国を中心とする朝鮮半島の話題をざっとまとめてみます。

(1)李大統領の苦しい二正面作戦

まずは、李在明大統領と与党・共に民主党の「葛藤」です。統一地方選(今月3日)以降、この両者の関係はギクシャクしています。

ちなみに韓国で「葛藤」という言葉は、「軋轢(あつれき)」という意味でよく使われます。

いったい、李大統領と与党は何をもって揉めているのでしょうか。それはずばり「方向性」です。ヒントは李大統領が13日にXに投稿した『与党と野党そして政治的な責任』にあります。

結構な長さの投稿ですが、要約すると与党と野党の役割の違いについて諭すものです。

投稿の中で李大統領は与党をこう説明します。

与党の辞書的な意味は、共に、一緒に行う集団です。与党は既に執権に成功し、与えられた公式の権力をもって、主張ではない行動を通じ、自身の価値と信念を実現できる代わりに、国家の未来とすべての国民の生活に丸ごと責任を負わねばならず、結果をもって証明された成果を通じ、再執権を追求します。

李大統領のXより

続いて、野党と与党の役割については、こう言及しています。

朝廷から押し出され、野で再執権に向け努力する政治集団を野党とします。野党は与党と政府に対する監視、牽制、攻撃が重要ですが、与党は与えられた権力をもって責任を負う能力と実績、包容と統合が重要です。

李大統領のXより

何やら意味深な投稿ですが、背景には与党指導部と李大統領の視線のずれがあります。

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先にお伝えしたように、6月3日の統一地方選と14の選挙区で行われた国会議員再・補欠選挙で、与党は勝ち切れませんでした。

16の広域自治体首長選では12の地域で勝ったものの、ソウル市を落としました。

さらに国会議員選挙では従前の13議席から9議席に減らしたばかりか、李大統領が青瓦台(大統領府)から候補を送り込んだ釜山市・北区甲という、絶対に落としてはならない選挙区で負けてしまいました。(選挙のまとめ記事はこちら↓)

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この結果に対し、李大統領は8日にあった就任一年の記者会見で「勝つべきところで負けた」と悔しさを顕わにしました。

しかし与党指導部は今なお総括をきっちり行っていないばかりか、その心は既に「8月」を向いています。

現代表の鄭清来(チョン・チョンレ)氏が、その先頭にあります。同氏は8月17日に行われる党大会で再任を目指すとされ、与党は権力争いに突入しているのです。

鄭氏のこの態度を知る李大統領は、前出の記者会見で「本当に心を空にし謙遜する姿勢で死力を果たすことと、別の事を考える事は完全に異なる」と述べています。

「別の事」というのが自分の権力を先に考える鄭氏への皮肉で、党指導部に対する不満を述べたものと韓国メディアに受け止められました。

しかし鄭代表は10日に開かれた与党の最高委員会議で「国民は永遠で、政権は短い」と述べ、物議をかもしました。まるで政権などはどうでもよいといった風に受け止められる発言でした。

鄭代表は昔からかなりマイペースな人物でしたが、ここ最近はそれに拍車がかかっています。

共に民主党の指導部。中央が鄭清来代表。同党提供。

共に民主党の指導部。中央が鄭清来代表。同党提供。

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党大会で鄭清来現代表と衝突するのは、現在、行政ナンバー2の国務総理を務める金民錫 (キム・ミンソク)氏です。李大統領の薫陶を受けた金氏と、鄭氏の争いが既に始まっている訳です。

一方、李大統領による先のXへの投稿の核心部分は「与党の熱情は『わが陣営』ではなく『国民の全体』に向かわなければなりません」という一文に凝縮されています。

韓国の大統領の任期は5年で、今はまだ一年が経ったばかりです。気を抜いている場合ではありません。

李大統領は実際に、14日晩にオンラインで行われた首席秘書官会議の冒頭発言で「残る4年の成敗(せいはい)が、今回の2年目の国政にかかっている」と、その危機感を表現しています。

与党指導部が党内の権力争いにかまけて、選挙の反省もしないままでいる場合、2年後の28年4月の総選挙はどうなるか分かりません。

既に今日15日発表されたリアルメーター社の定例世論調査では、与党・共に民主党の支持率38.0%、最大野党・国民の力の支持率は44.3%と、誤差の範囲(7.6%P以内)とはいえ、逆転されています。

韓国の政党支持率。青が与党・共に民主党。赤が最大野党・国民の力。リアルメーター社が6月11日から12日にかけて1002人を対象に調査したもの。同社提供。

韓国の政党支持率。青が与党・共に民主党。赤が最大野党・国民の力。リアルメーター社が6月11日から12日にかけて1002人を対象に調査したもの。同社提供。

今日は時間の関係で詳しく触れられませんが、先の選挙で大きな問題となった投票用紙不足問題は現在、警察と検察合同の捜査が本格化しています。

中央選管の組織の問題にとどまらず完全に政治問題化しており、落とし所は未だ見えません。現政権の下で起きたことであり、批判の矛先は政府に向かう他になく、苦しい状況が続きます。

なお、国民の力は15日午後、ソウル、京畿道(キョンギド)、仁川(インチョン)、蔚山(ウルサン)、釜山(プサン)、全南光州(チョンナムクァンジュ)の6か所の選挙に対し、「選挙訴請」を行うことを決めました。

これは「選挙の効力や当選の効力について、選挙管理員会に対し不服を提起する手続き」(朝鮮日報)です。選管は受け付けから60日内に決定を下さねばならず、訴請が受け入れられる場合には、30日以内に再選挙が行われることになります。

このように李大統領は今、野党そして与党指導部とたたかうという、二正面作戦を強いられています。政権発足後、最大のピンチを迎えたといえるでしょう。どうなりますか。

2. 今日の時事韓国語「포모」

「ポモ」と読みます。漢字…ではなく、英語です。Fear Of Missing Out」の略語です。一般的には「機会を逃すことへの恐怖」と訳されます。

例えば今まさに韓国で、サムスン電子やSKハイニックスといった半導体銘柄の株価が上昇を続けていますが、これに乗り遅れることへの恐怖や不安を指すものといったら分かりやすいでしょうか。「自分だけが取り残されている」という焦りです。

以前から使われる言葉でしたが、マンションの値上がりや株価上昇が続く中、今このタイミングを逃してはならないという、消費を後押しする心理として新聞記事などで使われています。

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今日はここまでです。

6月15日というのは、朝鮮半島にとって大事な日です。

今から26年前の今日、平壌で史上初の南北首脳会談が開かれ、韓国の金大中大統領と、朝鮮民主主義人民共和国の金正日総書記との間で「6.15南北共同宣言」が発表されました。

統一に向けたガイドラインとしても重要なもので、李大統領は「今もその希望の火種は生きている」と評しています。

これに関し、本来は韓国(そして日本と米国)に対する朝鮮政府の「指摘三連発」にも言及したかったのですが、時間切れです。明日整理します。

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そしてしつこいようですが、今週オープンする予定のクラウドファンディングもよろしくお願いいたします。

上記ホームページの中にある、「気になる」をクリックしていただけると大きな励みになります。ログイン(campfire社への会員登録)が必要ですが、お願いいたします。

なお、この一連の過程で勝手に寄付されることはないのでご安心ください。

それではまた明日お送りいたします。

今週もよろしくお願いいたします。アンニョンヒケセヨ。(徐台教)

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