【デイリー・コリア・フォーカス】26年6月8日号
皆さま、アンニョンハセヨ。
6月8日、月曜日です。今日のニュースレターは、東京駅から甲府駅に向かう特急の中で書いております。明日おこなう講演のため、韓国から日本へとやってきました。東京は約二か月ぶりですが、今にも雨が降りそうですね。梅雨が近いと聞きました。
朝鮮半島では大きな動きが続いています。
まず韓国では、6月3日にあった統一地方選の熱気が収まっていません。
しかしこれは残念ながら、悪い方の熱気です。3日午後に発覚した投票用紙不足という前代未聞の事態が長引いているのです。
当初十数か所と中央選挙管理委員会が発表した用紙が足りなかった投票所の数は、集計の結果、50か所にのぼる事が明らかになりました。さらに増えるという声が野党から出ています。

ソウル市松坡区のオリンピック公園で行われている集会。星条旗は極右集会の象徴ともいえる。8日午前、鄭周娥(チョン・ジュア)撮影。
投票率を低く見積もったことで、投票所ごとの投票用紙の分配に失敗したというのが一義的な理由ですが、あまりにずさんな管理です。
そうでなくとも、韓国ではここ数年間、不正選挙疑惑を提起する人々が増え社会問題となっていました。
大法院(最高裁)でも否定されたデマですが、勢いは収まるどころか、その影響をモロに受けた尹錫悦前大統領が非常戒厳まで宣布するはめになったのは記憶に新しいところです。
尹氏の弾劾罷免や、首謀者の逮捕などで最近ではやや下火になっていた感がありましたが、今回の騒動がふたたび油を注いだ形です。
実際に、ソウル東南部・五輪競技場にある開票所の前では最大で3万人以上とされる市民が集まり、不正選挙を主張し再選挙を求めています。
この集会は当初、お決まりの不正選挙&陰謀論者によるものだと受け止められました。過去に何度も同様の主張を繰り返してきた人物がカメラの前に現れたからです。
しかしその後、急激に様相が変わりました。20代30代の若者による、参政権の保障を求める「純粋な」集会へと変わったのです。

集会には若者の姿も目立つ。真ん中のプラカードには「再選挙」か書かれている。その左後ろの女性が手にするプラカードには「不正選挙、再選挙」とある。8日午前、オリンピック公園で鄭周娥撮影。
政治勢力や極右集団の影響を遮断し、純粋に中央選管の失敗を批判するものに映り、集会への注目度がグッと上がりました。
ネットでは、これは70年代80年代の若者の姿と同じだ!という声まで出て、若者たちの声に耳を傾けようという呼びかけが行われました。
しかし昨晩から今日にかけて、ふたたび不正選挙を主張する極右層に集会が「ジャック」されているというのが、これまでの動きです。時間帯によって構成員が変わるという声もあります。
私自身、現場で取材すれば勘所をつかめると思うのですが、日本出張とその準備のため現場に足を運べず、面目ありません。こういう時は本当にやきもきします。
それでも今日は、新たに知り合った写真記者の鄭周娥(チョン・ジュア)さんが現場に向かい、撮影までしてくださったので、皆さんに写真をお見せできます。この動きは今週末まで続くと思うので、改めて足を運んでみたいと思います。
なお、李在明大統領の指示により、検察と警察の手で、今回の中央選管の大失態の真相を究明する合同捜査が始まる見通しです。
そうだ、大事なことを忘れていました。先週金曜日の時点で配信を諦めた統一地方選の記事ですが、今朝、Yahoo!ニュースから配信されています。
約1万字と長い一本の記事ですが、選挙の要点を押さえてあり韓国政治の理解に役立つと思います。お時間ある方は以下のリンクからお読みください。
先に「朝鮮半島では大きな動きが続いている」と書きました。
まさに今日、中国の習近平国家首席が朝鮮民主主義人民共和国を訪問しました。訪朝は2019年以来です。その会談の内容に注目が集まります。
一方で韓国では今日、李在明大統領が就任一周年の記者会見を行いました。私はまだ見ていないのですが、記念辞ならびに2時間半以上にわたった記者会見の速記録を見た限りでは、「北韓」に関する話は見事にありませんでした。
これが韓国の現状です。国内に様々な問題が多い上に、もはや朝鮮民主主義人民共和国はしっかりと「他国」になりつつあります。
ようやく甲府に到着いたしました。
今日はここまでです。とにかく、ニュースレターをお読みの皆さまにおきましては、ぜひ上記の統一地方選まとめ記事を読んでいただきたく思います。
それではまた明日お届けいたします。
アンニョンヒケセヨ。(徐台教)
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