【デイリー・コリア・フォーカス】26年6月17日号

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徐台教 2026.06.17
誰でも

皆さま、アンニョンハセヨ。

6月17日、水曜日です。今日も首都圏は30度超えの夏日でした。午前の仕事を終えた後、犬を庭に放しがてら気分転換にと草むしりをしましたが、これは少し無謀でした。20分ほどやったところヘロヘロになりました。

話は飛びますが、ソウル東部に位置するオリンピック公園では、先の統一地方選で起きた投票用紙不足問題に端を発する市民集会が続いています。テレビニュースでも連日、この様子を力を入れて報じています。

6月8日のニュースレターでもお伝えしたように、今なお集会を行っている人々の多くは陰謀論である「不正選挙」を掲げる人々です。

選挙の際、同公園にあるハンドボール競技場(正式名称はライブアリーナ)が開票場となっていたことから、「不正選挙が行われた現場を保存する」という名目でこれを取り囲み、人々の出入りを制限しています。

6月8日のニュースレターから再掲です。ソウル市松坡区のオリンピック公園で行われている集会の様子。星条旗は極右集会の象徴ともいえる。8日午前、鄭周娥(チョン・ジュア)撮影。

6月8日のニュースレターから再掲です。ソウル市松坡区のオリンピック公園で行われている集会の様子。星条旗は極右集会の象徴ともいえる。8日午前、鄭周娥(チョン・ジュア)撮影。

16日には、最大野党・国民の力の張東赫(チャン・ドンヒョク)代表が集会現場を訪問しています。

同競技場は普段から、大韓体育会に所属する体育関連団体の根拠地として使われています。

この日、19日からインドで行われるフェンシングのアジア選手権に出場する選手たちの装備を持ち出すため、関係者が立ち入りを希望しましたが、市民はこれを拒みました。

その理由は、地上波MBCが報じたところによると「立ち入った人が、開票所にあるノートパソコンの記録を書き換えるかもしれない」というものでした。

選手側も説得を続け、張代表やメディアが選手達に同行することで競技場内に入る形で合意しました。しかし、星条旗を腰に巻き付けた女性が、2時間にわたってドアに張り付く肉弾戦を行い、これも不発に終わりました。

集会に集まった市民たちは「参政権の侵害」を強調しています。大韓体育会やMBCといったメディアは「公権力の介入が必要」と主張しますが、警察は強制排除に乗り出せないまま対峙する状況が続いています。

がぜん興味が出た私も今日午後、現場取材に行こうと思っていたのですが、体力がもちませんでした。明日はかならず現場に行きます。

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この騒動は現在、警察・検察が合同で中央選挙管理委員会を対象とする捜査を進める一方、与野党が国政調査を行うことで合意し、人選まで終わった段階です。

6月3日の選挙当日、選挙用紙不足により投票できなかった人物(正確には投票用紙が届きしだい投票できる引き換え券を貰ったものの、これを行使しなかった人物)は最低でも39人にのぼると報じられています。

このように少しずつ真相が明らかになってきていますが、最終的には特別検察官を任命し聖域なき捜査をすべきという声もあります。

いずれにせよこの問題は、李在明政権にとって「のどに刺さったホネ」です。しっかり取り除かない限り(解決しない限り)、政権の体力を削り続けていくでしょう。そうとはいえ、強硬な手段に出るのは逆効果です。

さらにこのアリーナは各種イベントが行われる場所で、封鎖の影響は経済面にも及び始めています。このまま放置することは、政府の体面上も望ましくないでしょう。とんだ難題を抱え込んだものです。

「不正選挙」と書かれたプラカードに囲まれ座る、最大野党・国民の力の張東赫代表(白いシャツ)。17日付け京郷新聞一面。見出しは「‘力ずくの封鎖’に便乗する第一野党」とあります。

「不正選挙」と書かれたプラカードに囲まれ座る、最大野党・国民の力の張東赫代表(白いシャツ)。17日付け京郷新聞一面。見出しは「‘力ずくの封鎖’に便乗する第一野党」とあります。

一方で先述したように、最大野党・国民の力の張東赫代表は「不正選挙」を掲げる市民に同調するなど、李在明政権にひも付けられた今回の選管の失策を、選挙で大敗した自身の失地回復の材料として最大限に活用しています。

依然として党内から反発の声はあるものの、先日紹介したように世論調査で野党支持が伸長しているのも事実です。

しかしこれでよいのでしょうか。

尹錫悦前大統領が当選した22年3月以降、政党間での対話や妥協を通じ社会を前に進めるといった観点から見る場合、韓国政治は一ミリたりとも前に進んでいません。

大きくなりすぎた与党では党内分裂の兆しもあります。民主主義制度を守る点では優れた韓国政治ですが、その内実は厳しい状況が続いています。

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ここで一つ、関連する世論調査を紹介します。

皆さんは「不実」と「不正」の違いをどう説明しますか?

前者はいわば「でたらめ、いい加減」で、後者は「悪意のある、正しくない」といった意味です。明確に異なる概念です。

今日ここまで言及してきた「投票用紙不足」という事態を眺める視線も、この二つに分かれます。単なるひどいミスなのか、選挙に介入するため意図的に行ったものなのか。

韓国の信頼できる世論調査会社「韓国ギャラップ」が、この世論の現在地を調べました。

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6月9日から11日にかけて行ったもので、これによると「不実な選挙管理、参政権の侵害という問題」と捉えた回答者が67%、「不法な選挙への介入、不正選挙を行った証拠だ」と捉えた回答者が25%でした。

韓国語のニュアンスになりますが、今回の事態を「不実選挙(부실선거、プシルソンゴ)」と見る視点と、「不正選挙(부정선거、プジョンソンゴ)」と見る視点に分けた形です。

改めて整理すると、「不実選挙」67%「不正選挙」25%となります。

傾向を見ると、自身を保守性向であると回答した人ほど、不正選挙と答える割合が高かったそうです。

自身を「とても保守的」とした回答者のうち59%が「不正選挙である」と見なしています。「やや保守的」とした回答者では「不正選挙」40%でした。

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同社は、再選挙についての世論もチェックしています。「全面再選挙」に賛成する回答者は44%、反対する回答者は48%でした。驚きの数値です。

こちらもやはり、自身を保守と回答する集団ほど、再選挙に賛成する割合が高くなっています。「とても保守的」とした回答者のうち65%、「やや保守的」とした回答者のうち54%がこれに当たります。

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また、18歳から39歳までの若者の世論についても、同社は別途取り上げています。

一つ目の質問、つまり「不実選挙」か「不正選挙」かの判断においては、18歳〜29歳では「不実選挙」64%、「不正選挙」28%と冷静な判断ができています。30代も同61%、28%という分布でした。

しかし「全面再選挙」を聞く質問では、18〜29歳の67%が賛成とし、30代でも62%が賛成と、他の年代に比べ飛び抜けて高い数値となっています。40代以上では再選挙賛成はいずれも30%台です。

これについて同社は「結果に先立ち、過程における公正性を重視する傾向によるもの」と分析しています。

つまり、「わざとではなかったにせよ過程にミスがあったからには、結果は受け入れられない」ということです。

この辺りの意識が、冒頭に取り上げた集会に当初、20代30代の「ノンポリ」の若者が多かったところにつながるのでしょう。彼らが社会を眺める視線の一端を伺い知ることができます。彼らは韓国社会の公正性に問題意識を抱いているということです。

↑引用した調査結果はこのページにあります。

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もうすぐ0時となってしまうので、今日はここまでとなります。このテーマは「今後の韓国社会のあり方」と深くつながるので、継続して書き続けることになると思います。

そして、昨日の夕方から始めたクラウドファンディングですが、現時点で80人の方々から100万円を超える支援をいただきました。これは大変なことです。とても嬉しいと同時に、身が引き締まる思いです。

朝鮮半島問題、民主主義、AI政策はいずれも大切なテーマですが、一人で追うのは不可能です。同僚そして多くの専門家の力を借りるためにも、クラウドファンディングの成功は欠かせません。

引き続きご関心をいただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。

全く落ち着きませんが、今日はここまでとさせていただきます。

それではまたお届けします。アンニョンヒケセヨ。(徐台教)

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