【デイリー・コリア・フォーカス】26年3月20日号

皆さま、アンニョンハセヨ。
3月20日、金曜日です。すっかり遅くなってしまいましたが、今日も韓国から徐台教が「デイリー・コリア・フォーカス」をお届けします。
韓国の首都圏は、朝は0度、昼は15度という天気が続いています。風邪をひいたので約束を延ばそうという知人からの連絡が、立て続けにありました。皆さまもくれぐれもお気をつけください。
今日の目次は以下の通りです。
1. ホルムズ海峡封鎖長期化の場合、製造業コストは約12%増
2. 韓国人の幸福指数は歴代最低の世界67位
3. 今日の時事韓国語「컴백」
1. ホルムズ海峡封鎖長期化の場合、製造業コストは約12%増
イスラエルによる攻撃が、イランによる湾岸諸国への報復を呼ぶ悪循環が続く中東情勢ですが、この状況が長引く場合、韓国の産業に重大な影響が出ることが改めて明らかになりました。
国策シンクタンクの「産業研究院」は19日、『米国-イラン衝突とホルムズリスク~供給網シナリオ分析と示唆点』という報告書を発表しました。
これによると、ホルムズ海峡の封鎖が約3週間続く「短期シナリオ」が可視化する場合、韓国の製造業の生産費は5.4%上昇するそうです。この時の想定価格は原油105~125$、LNG(液化天然ガス)+60~90%ということです。
また、海峡封鎖の影響は「精油・電力」から、「化学・金属・運送」といったエネルギー集約産業全般に連鎖的に波及するといいます。
報告書では特に、原材料の供給網に影響が出る点を指摘します。
原油を精製する際の副産物であるナフサは石油化学の、LNG工程の副産物であるヘリウムは半導体の、そして天然ガスを元に生産される無水アンモニアは肥料生産の核心的な原料であるとし、エネルギーと原材料の供給が連動している点を強調します。
現状はどうなのでしょうか。イランがイスラエルへの報復として攻撃したサウジアラビアやカタールの施設には、迂回して輸出する方法が無い上に、産油国が貯蔵能力の不足から減産に入る場合、二重のショックが韓国を襲うと警告します。
報告書では、前述したような短期(数日~3週間)に加え、中期(1か月~3か月)、構造的な供給の衝撃(3か月~)を想定して、それぞれの影響を整理しています。報告書にある表を日本語に翻訳してみました。

少し見づらいですが、長期化する場合の影響は多大なものがあります。なお報告書には、「実際の衝撃の『下限値』として解釈すべき」との注釈がありました。
このように、重大な影響が起きることが一目瞭然です。さらに、この表は、エネルギー価格の影響だけを反映したもので、先に挙げたような原材料の不足が起きる場合、実際の衝撃は推定値よりも遥かに大きく拡大するとしています。
報告書には、ホルムズ海峡封鎖時に、供給リスクがある品目も整理されています。
具体的には、▲ナフサ(輸入割合44.7%)、▲アルミニウム(合金、同46.3%)、▲無水アンモニア(同42.9%)、▲メタノール(同27.8%)、▲ポリエチレン(同31.1%)、▲石油コークス(同30.6%)、▲ヘリウム(同24.3%)、▲尿素(同21.7%)といった具合です。
それでは韓国はどう対応すればよいのでしょうか。報告書は3つの対応方法を提示しています。
まずは、エネルギー転換政策と、原料調達の多弁化を合わせて推進することです。全体的な中東依存率を下げる戦略が必要とします。
次に、エネルギーと産業材の供給網の管理を一元化することです。これらは連動したリスクとなるため、戦略品目としての指定範囲を拡大し、統合したモニタリングが必要とします。
最後に、現在の事態が落ち着いた後の中東再建需要に対し、先制的に対応すべきとの内容です。インフラ、食糧、安全保障(防衛産業)の分野の需要が高まるため、協力の基盤を準備しておくべきとしました。
既に日本でも多く指摘されている内容であるため、既視感があるかもしれません。しかし韓国の産業に明るくない私としては、報告書を見ることで新たな知見を得ることができました。
中東の混乱、より正確にはイスラエルと米国の無頼ぶりが長引く場合、その経済的な影響は広範囲に及びます。
韓国の専門家の中には、今回の事態を機に、イランと北朝鮮と結びつきを強めると見る人もいます。混乱が新たな混乱を呼ぶことは間違いなさそうです。

今日、20日付の京郷新聞一面です。「ガス田報復の悪循環…国際油価はまた最高値」とあります。大きな写真はBTS関連のものです。
2. 韓国人の幸福指数は歴代最低の世界67位
20日付の『京郷新聞』によると、国連の持続可能発展解法ネットワークと、英国のオックスフォード大学ウェルビーイング研究センター、米国の世論調査機関ギャラップが発表した『2026年世界幸福報告書』の中で、韓国の幸福指数は6.040点(10点満点)で67位でした。
幸福指数というのは、▲一人当たりのGDP、▲健康な期待寿命、▲社会的な支援(困難な時に頼れる人の存在)、▲人生選択の自由、▲寛容(共同体意識)、▲腐敗の認識という、六つの項目から判断されるものです。
記事によると、韓国は「健康寿命の順位はシンガポールと日本に次ぐ3位であったものの、慈善活動のような共同体への寄与、社会的な腐敗が少ないと見る認識が少なかった」とのことです。

京郷新聞の記事。
なお、この指数は、2023年から2025年にかけて、アンケートと統計資料を土台に作られたものです。
記事によると、1位はフィンランド(7.764点)、2位はアイスランド(7.540点)、3位はデンマーク(7.539点)でした。米国は23位(6.816点)、中国は65位(6.074点)でした。
ここまで読んだ方は「日本は何位だ!?」と思われたはずです。61位(6.130点)でした。
日本も韓国も幸せな社会ではないのかもしれません。両国のレポートを貼り付けておきます。幸せでないまま長生きするという、なかなか厳しい社会です。なお、戦争中のイスラエルは8位だそうです。
3. 今日の時事韓国語「컴백」
「コムベッ」と読みます。英語の「come back」です。日本語では「カムバック」と書かれますよね。
英語の写し方は日本と韓国で異なるため、同じ言葉が別の発音となり、はじめは非常にややこしく聞こえるはずです。
明日21日はBTSがカムバックする日です。
ソウルのど真ん中、光化門(クァンファムン)を封鎖してコンサートを行い、それをNetflixが独占放送することに対する賛否両論があるのですが、ここで取り上げるのはやめておきます。
明日のコンサートの時間には、別件で周辺にいる予定です。雰囲気を感じてきますね。
最後にもう一つ。今日はずっと原稿仕事をしていたのですが、行きつけのカフェで日米首脳会談について聞かれました。
トランプ大統領の「真珠湾ジョーク」の話をしたところ、数人のお客さんは大層おどろいていました。日米首脳会談を韓国でどう受け止めたのかは、来週お届けします。
それではまた来週お会いいたしましょう。
皆さま、良い週末をお過ごしください。
ありがとうございました。アンニョンヒケセヨ。(徐台教)
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