【デイリー・コリア・フォーカス】26年7月2日号

皆さま、アンニョンハセヨ。
今日は7月2日、木曜日です。デスクワークが多い一日でした。仕事と家事を終え(正確にはまだ残っていますが)金浦の自宅からお送りしています。首都圏の梅雨入りは来週だそうで、煮え切らない天気が続いています。
今日の内容は以下の通りです。
1. なんと「34倍」にも…20代、30代における資産格差が拡大
2. 李在明・文在寅両氏が会合、与党の内紛への影響は
3. 今日の時事韓国語「올공」
1. なんと「34倍」にも…20代、30代における資産格差が拡大
私が購読している京郷新聞の今朝の一面には、「14億ウォン対4229万ウォン」という刺激的な数字が並んでいました。続く文字は「20代の資産格差‘34倍’」。
どういうことでしょうか。
これは同紙が国家データセンター(旧統計庁)の資料を元に、20代における保有資産上位20%と下位20%を比べた数値です。統計は2025年のものです。
上位20%の平均は14億3250万(約1億5000万円)、下位20%の平均は4229万ウォン(約440万円)でした。上位20%は平均して、下位20%の34倍(33.9倍)の資産を持っているのです。
同紙はまた、資産を金融資産と、不動産などの実物資産に分けて計算していました。これによると、金融資産では13.4倍、実物資産では206.4倍もの格差があったとのことです。
今から8年前の2017年の統計では、総資産の格差は25.7倍、金融資産は6.3倍、実物資産は83.1倍だったことを考えると、その間、20代の格差は増大したという結論でした。

2日付けの京郷新聞の一面。筆者撮影。
記事ではこうした現象について、「資産の格差が、投資の機会と富を蓄積する速度までを分ける構造が、次第に固まっている」と総評しています。「資産の規模が投資の機会そのものを決定する」ということです。当然のことですよね。
また、30代についての統計もありました。上位20%は13億546万ウォン(約1億3600万円)、下位20%は5897万ウォン(約612万ウォン)と、格差は22.1倍でした。
同紙では「20代の格差は30代になっても続く」とまとめていました。
今回の記事は、同紙の連載企画「20代30代広がるスタートライン」の一貫でした。過去一年、韓国では株価指数が3倍以上になるなど、投資熱が高まっています。若者たちは「一獲千金」を狙い、借金をしてまで投資するといいますが、その裏にある格差に注目した記事です。
同紙からは、「資産が少ない層は、株価下落のショックを受けやすい」という記事も出ています。「資産増殖型のエレベーターに乗った青年と、取り残された青年たち」という表現もありました。
この格差をどうすればよいのでしょうか。
今日の記事では、「若者であるほど、所得よりも資産が、階層間の格差を説明する核心的な要因として存在している」としながら、「勤労所得の増加率が、資産価格が急騰する勢いに追いつけない状況では、青年たちは、親の支援なくしてはレバレッジを利かせる(投資を行う)スタートラインにすら立てないのが現実」と分析しています。
その上で「不動産と金融資産を網羅する統合的な課税体系を作らない限り、青年層のスタートラインの格差と、富の継承はより固着化するだろう」と見立てています。
格差の認識が不平等感につながる場合、社会は不安定化します。しかし、資産を持つ者に課税する名分についての社会的合意がない限り、課税もまた不可能でしょう。韓国社会の「宿題」が浮き彫りになる記事でした。
2. 李在明・文在寅両氏が会合、与党の内紛への影響は
昨日7月1日、李在明大統領と文在寅元大統領は、青瓦台(大統領府)で昼食を共にしました。李大統領就任後、はじめての出来事です。
会合は冒頭部分だけ報道陣に公開されました。
文元大統領が「健康はどうですか?あまりにも激しく、熱心に働いているようですが」と切り出すや、李大統領は「健康は大丈夫です。生まれつきの部分が多少ありまして」と答えるなど、全体的に和気あいあいとした雰囲気でした。
それもそのはず、この会合の目的は、与党・共に民主党の「和合」にあったからです。
8月17日の党大会を前に、党に内部分裂の兆しがはっきりと見える中、直近まで代表を務めた鄭清来(チョン・チョンレ)前代表と近い「親文」のトップと、直近まで行政府ナンバー2の国務総理を務めた金民錫 (キム・ミンソク)を推す「親明派」のトップによる会合でした。
そうとはいえ、文元大統領が党代表選に影響力を行使しようとしているようには見えません。より正確には、鄭清来氏を推す一団が、文元大統領に頼るような形です。
このため、文元大統領は党の団結を訴えました。李在明政権の目標は「国民の統合にある」とし、「その前段階として党内部の団結がとても重要だ」と語っていました。
一方、李大統領は「絶え間なく外縁を拡張し、構造的に多数を作り出すよう努力すべき」と主張し、やや意見の食い違いがありました。外縁の拡張とは、党の縁をどんどん広げていくことを指します。
なお青瓦台側は会合の後、「意見の相違ではない」とクギを刺してします。

一日、会合を持った李在明大統領と文在寅元大統領。青瓦台提供。
文在寅元大統領は、今も政治的に影響力があるのでしょうか?難しい問いです。
共に民主党の最大勢力は「親盧」と呼ばれる、故盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領を支持し思慕するグループですが、現在は「ニュー李在明」と呼ばれる、李大統領の実用主義的・市場主義的な面を支持する層も増えています。言うまでもなく文元大統領は、故盧武鉉大統領の30年来の親友であり、最も忠実な側近である「親盧」の座長です。
このため、党内では今なお一定の人気がありますが、一方で、政権を尹錫悦氏に明け渡すまでの過程に失望した民主党支持層が多いのも事実です。
在任中、自身が検察総長に任命した尹錫悦氏が昂然と政権に反旗を翻したにもかかわらず、これに断固とした措置を取らなかったことで、尹錫悦氏が反対陣営から大統領になる後押しをしたという批判です。
さらに、中道層からも「民主党のための政治をした」と評価される部分があります。
これは拙著『分断八〇年』でも触れている通り、文在寅政権が誕生するきっかけとなった朴槿惠(パク・クネ)大統領の退陣を求める「ろうそくデモ」の精神の中にあった、「国を立て直す」という部分を、結果として無視したことによるものです。
今日の一つ目の記事で触れたような格差は、二〇〇〇年代から顕在化していました。それを正そうという社会の要求が「ろうそくデモ」に含まれていましたが、文大統領はこの世論に応えられなかったのです。
これらの面から、文元大統領の政治的な影響力は強くないと見るのが妥当でしょう。実際に、選挙の応援には厳しい評価があります。
しかし、在任中に大きなスキャンダルもなく、今は地元で本屋を経営するその生き様は、退任後の大統領の生活としては最も安定しています。このため、一定の尊敬を集めています。

私も昨年5月、本屋を訪れました。
話がだいぶ横道に逸れてしまいました。
この日の二人の会合により、共に民主党が大きく分裂することは避けられるかもしれません。しかし、党代表選が激しいものになることは変わらないため、鄭清来氏と金民錫氏のどちらが勝っても、党にダメージは残ると、評論家達は語っています。
3. 今日の時事韓国語「올공」
「オルゴン」と読みます。「올림픽 공원(オリンピック公園)」の略語です。
以前のニュースレターでもお伝えしたように、ソウルにあるオリンピック公園の一画では、6月3日の統一地方選で起きた投票用紙不足を批判する集会が、今も続いています。
集会の参加者たちは開票場となった競技場の中にある、380の投票箱と投票用紙247万枚、開票録などが外に持ち出されないように、あるゆる門を封鎖してきました。

市民により封鎖されている、開票場となったハンドボール競技場。現在はライブアリーナとしても使われている。予定されていた公演が行われず、多大な経済的損失が出ている。6月18日、筆者撮影。
しかし今日2日、国会に置かれている国勢調査特別委員会に所属する議員たちが内部に入り、現状をチェックしました。6月5日以降、はじめてのことです。警察が集会の参加者を排除した上で、ようやく実現しました。
与野党は現在、投票用紙不足がなぜ、どう起きたのかを公正に捜査するため、特別検察官を任命する立法準備を始めているとされます。真相究明が進んでいくでしょう。
今日はここまでです。
円安につられ、ウォン安となっている話もしようと思いましたが、これは明日またやります。
そしてクラウドファンディングですが、説明をいくつか加筆・修正しました。どのように「コリア・フォーカス」をリニューアルするのか、より明確になったと思います。一度ご覧ください。
それではアンニョンヒケセヨ。ありがとうございます。(徐台教)
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