【デイリー・コリア・フォーカス】26年6月30日号

皆さま、アンニョンハセヨ。
今日は6月30日、火曜日です。今日で2026年の上半期も終わりです。今年1月から始めた毎日のニュースレターも、半年間続いたことになります。
初期の頃と比べると、扱う話題のバリエーションが減り、送信する時間も遅くなっています。正直なところ、危機感を覚えています。
クラウドファンディングが続く7月いっぱいまでは今の形で行い、その後は全体的に再調整しようと考えています。
いよいよ7月を迎え、クラウドファンディングも本格的にテコ入れを図っていきます。ご支援は落ち着いてしまった感がありますが、また盛り上げていければと思います。
(1)韓国政府「3大メガプロジェクト」、韓国各紙の評価は
昨日午後、韓国政府は「大韓民国大跳躍3大メガプロジェクト」を発表しました。詳しくは昨日のニュースレターにある通り、半導体・AIデータセンター・フィジカルAIという三つの分野へ総額200兆円以上を投資するというものです。
韓国経済が発展を続けることができるのか、まさに国運をかけたプロジェクトであると政府は意気込んでいますが、発表からひと晩明けた今日、各紙の社説はどう論じたのかを整理してみます。
保守紙の「朝鮮日報」は『政治主導の‘1450兆ウォンプロジェクト’、水・電力・人材は依然として不透明』という社説を掲載しています。社説では、このプロジェクトの構想については「方向は合っている」と評価しながら、いくつかの憂慮を示しました。
具体的には、事業の目標が14年後の2040年までと時間表が曖昧な点を挙げています。また、大統領と産業通商部長官が発表を主導し、その後、大企業(サムスン電子、SKハイニックス)の総帥の発表が続いた点を「政治主導」と評しました。
また、各プロジェクトにおける具体性の欠如、特に、電気・用水・協力会社といった産業の「生態系」をどう整えるのかという疑問を呈し、「この部分の不確実性を一日も早く解消すべき」と主張しました。
やはり保守紙「東亜日報」は『3大メガプロジェクトに4755兆ウォン、‘どこ’よりも‘どう’が核心』という社説を掲載しました。
表題の数字は、サムスン電子が2655兆ウォン(278兆円)、SKハイニックスが2100兆ウォン(約219兆円)を投資する計画からきています。
社説ではこのプロジェクトの意味が、「民官が力を合わせ、全国単位の投資計画を解き放った」点や、「半導体メモリの需要が急増し、中国の追撃が可視化する状況で、半導体ベルトを拡張し、先制的な投資の拡大に舵を切った」点などにあると評価しました。
一方で、今回のプロジェクト決定に至るまでの公論化の過程が短かった点を、問題点として挙げています。特に、トランプ大統領が2017年に台湾企業を誘致するとしたプロジェクトなどを例に、利益という企業論理の徹底を求めています。
同紙はこのように問題点を冷静に列挙しながらも、「賽は投げられた」とし、「どのように成果につなげるのかが重要だ」と全体的に後押しする論調でした。
もう一つ保守紙です。最近、経営難の問題が出ている「中央日報」です。『4700兆ウォンのメガプロジェクト…政府が先に解決すべき課題』という社説でした。
ここでもやはり、半導体産業に絶対に書かせないものとして、電気・用水・土地・人材を挙げながら、この確保が何よりも大切であると説いています。
長期プロジェクトであるだけに、何よりも持続可能性が重要で、政権が変わってもプロジェクトが続くようにしなければ、企業の長期投資は成り立たないという旨を主張しています。
さらに、李在明政府に対し、立地を選定する過程で、政治的な論理により企業に無理を強いたのではいかという疑問を払拭する必要があると注文しました。
その上で、ドイツや日本の例を挙げながら、政府がインフラを整えることが肝要であるとし、そのシステム構築を求めています。
次は進歩紙です。「京郷新聞」では『成長と均衡に同時に狙いを定めた3大メガプロジェクト、必ず実現するよう』という社説を掲載しています。
ここではまず、今回のプロジェクトを「韓国経済のアキレス腱である、‘成長の鈍化’と、‘首都圏一極体制’を同時に解消することを目標とする、国家的な次元の産業政策」と位置づけています。
その上で、大企業と政府、そして地方自治体と政界が韓国の未来のために力を合わせることを求めています。
また、プロジェクトが成功するためには越えるべき山が多いとし、用水と電力インフラの構築を例に挙げました。また、高級人材の確保と、彼らが住む都市の建設も迅速に進めるべきとし、そのための「速度戦」を強調しました。
必ず成功させるプロジェクトという意気込みが感じられる社説でした。
最後に、もう一つの進歩紙「ハンギョレ」です。『3大メガプロジェクト、国家が跳躍する機会とすべき』という社説でした。
冒頭では、「今回のプロジェクトが韓国経済の潜在成長率を引き上げ、地域(地方)の均衡な発展を実現する転機になるよう、民官が力を合わせるべき」と、その意義を強調しました。
また、他紙と同じように用水の問題を取り上げながらも、韓国水資源公社が「用水の供給に問題はない」とした診断を引用しています。
また、政府が今年8月から施行する「半導体特別法」の施行令にしたがい、電力・用水などのインフラ構築費用が、国費100%負担になる点を想起させつつ、こうした支出の拡大が分配や社会のセーフティネットへの支出の萎縮につながらならいよう求めています。

30日、韓国南西部を訪れ、産業団地の候補地を空から視察する李在明大統領。青瓦台提供。
見てきたように、最大野党・国民の力が主張するような「無理やりな政治決定」といった内容は、「韓国日報」など他紙も含め、どの日刊紙にもありませんでした。
大きな、そして失敗が許されないプロジェクトであるという一定の合意が、韓国社会に存在することが各紙の社説を通じ伝わってきます。いかに国民の力が理知的でないのかが浮かび上がってきます。
なお、李在明大統領は今日30日、光州を訪れました。このプロジェクトを看板倒れにせず、実際に行う旨を改めて明言しました。また、各地で一斉にとりかかる旨も明かしています。
昨日のニュースレターでも触れましたが、29日、李在明大統領はサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン)会長と、SKハイニックスの崔泰源(チェ・テウォン)会長に90度の角度で挨拶しています。
これに対し、ある著名なAI専門家は「国が金の前に哀願した日。とても気分が悪い」とSNSに投稿していました。
実は私も似たような思いを抱きました。企業と政府が一蓮托生になることが、果たしてよいのだろうか、財閥企業は本当にアンタッチャブルになるぞという危機感があります。
一方で、こうした思いは「生存」のひと言の前に、簡単にかき消されるだろうなとも考えます。過去の植民地支配は言うに及ばず、直近では1997年の通過危機で国家がデフォルト直前までいった経験などが、韓国の国民において国家を優先する心情をもたらしているからです。
いずれにせよ、新たなチャレンジを見守っていこうと思います。
(2)今日の時事韓国語「속도전」
「ソクトジョン(ソットジョン)」と読みます。漢字では「速度戦」です。
元々は朝鮮民主主義人民共和国で使われていた建設スローガンですが、いつの間にか韓国でも当たり前のように使われるようになっています。大統領も、メディアも使います。
韓国では「パルリパルリ(早く早く)」という言葉が有名ですが、似たような脈絡です。同じ民族は似ているのでしょうか。
今日は以上です。
おととい、高校野球大会で、光州の高校がソウルの高校にヘイトスピーチを浴びる大きな出来事がありました。これについてはまた触れます。
明日から7月ですが、クラウドファンディングの周知のためにも、Yahoo!ニュースへの出稿を増やすつもりです。ニュースレターも続けていくので、引き続きよろしくお願いいたします。
それではアンニョンヒケセヨ。いつもありがとうございます。(徐台教)
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