【デイリー・コリア・フォーカス】26年10月29日号 [韓国政治社会]:韓国の「移住背景人口」は総人口の5.4%、呉世勲ソウル市長2審無罪 など

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徐台教 2026.10.29
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皆さま、アンニョンハセヨ。10月29日、木曜日です。今日は、2022年にソウル・梨泰院(イテウォン)で起きた雑踏事故から4年となる日です。

日中、ソウル市内では「10·29 梨泰院惨事 4周忌 記憶式」が開催されました。この席で李在明大統領は「二度と国家の不在と放任により、国民が理不尽に亡くなることがないようにする」と述べました。事故では、日本人留学生2人を含む160人が犠牲となりました。

木曜日は韓国政治社会がテーマです。朴眞煥さんが担当です。目次は以下の通りです。

(1)総人口の5.4%が「移住背景人口」、20〜30代では10人に1人
(2)外国人が支える農業、李大統領「経済の大きな助けにならない」発言に批判殺到
(3)保守の大物が「生還」、呉世勲氏が逆転無罪
(4)今日の時事韓国語「주주환원」

なお昨日(水曜日)、Youtubeライブを行いました。最近の朝鮮半島情勢に加え、統一意識などを聞く最新の大型世論調査をまとめました。日本への意識が大きく変わった点を取り上げているので、ぜひご覧ください。

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(1)総人口の5.4%が「移住背景人口」、20〜30代では10人に1人

韓国の国家データ処(旧統計庁)は26日、「2025年移住背景人口統計」を発表しました。

2025年11月1日現在、韓国国内に3か月以上居住している「移住背景人口」は約281万人で、1年前より3.5%増え、総人口の5.4%を占めています。

「移住背景人口」には外国人だけでなく、韓国に帰化した人や、親の一方が外国人か帰化者である人も含まれます。そのうち約75%は外国人でした。

去年、外国にルーツを持たない韓国人の人口は8万人以上減りました。一方、外国にルーツを持つ人口が9万5千人増たことで、総人口は増加しました。

ハンギョレ新聞は「昨年の韓国の総人口が1年前とほぼ同水準でかろうじて維持されたのは、外国にルーツをもつ人々の影響が大きい」と報じています。

コリア・フォーカス作成。

コリア・フォーカス作成。

特に、各メディアが注目したのが、若者の人口です。

韓国の20〜30代の10人に1人が外国にルーツを持つ人で、その割合は増加傾向にあります。移住背景人口の年齢構成を見ると、20代が21.6%、30代が23.7%で、この世代だけで半数近くを占めます。

国家データ処は「留学や就労で来韓する若者が、製造業や建設業などの働き手になっている」と説明しています。

もう一つの特徴は、その若者の56%が、ソウルをはじめとする首都圏に住んでいることです。韓国社会の首都圏への一局集中を反映した数字だと言えるでしょう。

また、「移住背景人口」の81.9%は15〜64歳の働く世代で、韓国全体の69.2%を大きく上回ります。外国にルーツがある人々が、韓国の労働現場を支えていることがわかります。(朴眞煥)

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(2)李大統領「外国人労働者は国家経済に大きく役立つ訳ではない」発言に集まる批判

外国にルーツがある人が人口維持や産業を支えるなか、李在明大統領の発言が批判を集めています。

李氏は、27日の国務会議(閣議)で農村の人手不足対策について議論する中で、「外国人労働者を呼んでも国家経済には大きく役立つわけではない。(賃金を)すべて(自国に)送金してしまうから」と述べました。

韓国人の農業労働者への人件費補助を検討するよう指示した際の発言です。「外国人嫌悪」に繋がりかねないとして波紋を読んでいます。リベラルを自認する大統領の発言としては驚きです。

この発言を受け28日、約100万人の加盟者を持つ韓国最大の労働連名・全国民主労働組合総連盟(民主労総)は、労働現場を支える外国人の存在を無視し、差別を正当化する発言だと反発しました。

市民団体・移住労働者平等連帯も同日、経済に貢献していないのであれば、政府や企業が受け入れるはずがないと批判しています。

29日、「10·29 梨泰院惨事 4周忌 記憶式」で追慕辞を読み上げる李在明大統領。韓国大統領府提供。

29日、「10·29 梨泰院惨事 4周忌 記憶式」で追慕辞を読み上げる李在明大統領。韓国大統領府提供。

リベラル系メディアからも批判が出ています。ハンギョレ新聞は、統計を示し、大統領の認識に疑問を呈しました。

同紙によると、外国人全体の総所得に占める国内外への送金額は25.5%で、他に生活費が37.3%、住居費が11.9%を占めており、「すべて送金」されているわけではないと指摘しました。その上で、外国人労働者は低賃金で農業の現場を支え、国内での消費にも貢献していると伝えています。

京郷新聞も、「韓国人が敬遠する農村の仕事を担い、農産物を生産する労働そのものが付加価値を生んでいると指摘。国内での消費を除いても、農業を維持し、都市に食料を供給する役割は大きい」という淑明女子大の洪誠秀(ホン・ソンス)教授の分析を紹介しました。

一方、李氏は自身のSNSで、「韓国人と比較すれば大きな助けにはならないという趣旨だった」と釈明しました。見出しから「大きな」を省いたハンギョレ新聞に記事の訂正と謝罪を求め、同紙が見出しを修正しました。

しかし、その後も、修正の理由を明らかにしていないとして、重ねて謝罪を要求しています。

同紙は、こうした対応についても、権力でメディアの口を封じようとしているという市民団体の批判を伝えています。

また、京郷新聞は社説で、「『大きな』という副詞を使ったからといって、発言の問題点が消えるわけではない」と批判しました。(朴眞煥)

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(3)保守の大物政治家が「生還」、呉世勲氏が逆転無罪

先週、韓国の政界で最も注目されたのは、保守の大物政治家の「生還」でした。次期大統領の有力候補の一人、呉世勲(オ・セフン、65)ソウル市長が23日、政治資金法違反事件の控訴審で逆転無罪となったためです。

呉氏は2021年の市長補選を前に、政治ブローカーに世論調査を依頼し、その費用3300万ウォン(約390万円)を支援者に肩代わりさせたとして、政治資金法違反の罪に問われていました。

今年7月の1審では罰金1000万ウォン(約118万円)と追徴金2100万ウォン(約248万円)の有罪判決を受けていました。

韓国では、政治資金法違反で罰金100万ウォン以上の刑が確定すると、5年間、選挙に立候補できなくなります。呉氏は1審の刑が確定すれば市長を失職し、2030年の大統領選にも出られなくなるところでした。

しかし、控訴審では政治ブローカーの供述の信用性を認めず、呉氏が世論調査を依頼したことが十分に立証できないと判断し、無罪を言い渡しました。

呉世勲ソウル市長。同氏のFacebookより引用。

呉世勲ソウル市長。同氏のFacebookより引用。

この判決に対し、与党・「共に民主党」は免罪符を与えたと批判し、野党・「国民の力」は当然の結果だと歓迎しました。

「生還」した呉氏は判決後の週末、地域の催しや追悼行事に相次いで出席し、保守再建に向けて多様な立場の人々をもまとめていく意欲を示しました。判決当日には保守系議員10人余りが裁判所に集まるなど、呉氏を軸とした勢力づくりも取り沙汰されています。

今後、最大野党・国民の力の中で、再来年の総選挙や2030年の大統領選をにらんだ主導権争いが少しずつ活発になっていくものと見られます。

なお、特別検察側は上告する方針のため、呉氏の無罪が確定したわけではありません。(朴眞煥)

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(4)今日の時事韓国語「주주환원」

「チュジュファヌォン」と読みます。日本語の「株主還元」です。企業が事業で得た利益を、配当などで株主に返すことです。

韓国の大手半導体企業の2026年7〜9月期決算が相次いで発表され、その好実績に驚かされます。

営業利益約83兆ウォン(約9.8兆円)を達成したSKハイニックスは28日、今年の「株主還元」を約100兆ウォン(約11.8兆円)とする計画を発表しました。

同じく営業利益約107兆ウォン(約12.5兆円)を達成したサムスン電子も29日、総額30兆ウォン(約3.5兆円)の配当を決定し、株主還元の規模は90兆〜110兆ウォン(約10.6兆円〜約13兆円)に達する見込です。

AI向け半導体の需要が拡大し、その恩恵が株主にも回る形です。AIで盛り上がる韓国を象徴する言葉の一つでしょう。(朴眞煥)

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今日は以上です。この後、青瓦台(大統領府)や各省庁のメディア担当者と、ソウル外信記者クラブのネットワーク会が行われます。私も参加し、コリア・フォーカスを広めてきます。

それではまた明日。今日もありがとうございました。アンニョンヒケセヨ。(徐台教)

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