【デイリー・コリア・フォーカス】26年10月22日号[韓国政治社会]:与党に厳しい世論、ソウルの明暗、「悪魔の判決」など

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徐台教 2026.10.22
誰でも

皆さま、アンニョンハセヨ。今日は10月22日、木曜日です。日本は昨日、ずいぶんと気温が高かったようですね。韓国は真逆で、今朝はソウルは5度でした。

韓国政治・社会を扱う今号は、いつものように報道ディレクターの朴眞煥(パク・ジンファン)さんの担当です。今日の内容は以下の通りです。

(1)与党は次の総選挙で「地域政党」に転落?衝撃の世論調査
(2)京畿道知事から代表まで重なる失態…与党に厳しい逆風
(3)ソウルが「世界最高の大都市」1位も、観光への苦情は過去最多
(4)23人死亡火災で懲役4年、「悪魔の判決」と遺族が批判
(5)今日の時事韓国語「담화」

なお昨日(水曜日)は、定例のYoutubeライブ配信を行いまいた。対立がエスカレートする南北関係と、在韓米軍司令官の発言に振り回される韓米関係を中心にまとめました。今日のニュースレターで扱う韓国の政治状況にも多少触れています。ぜひご覧下さい。

それでは本文に入ります。

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(1)与党は次の総選挙で「地域政党」に転落?衝撃の世論調査

先週も世論調査の話でしたが、今週も世論調査の話をせざるを得ません。そうというのも、次の総選挙と関連し、与党にとって安心できない結果が出たからです。

韓国ギャラップが16日に発表した調査(13〜15日実施)では、大統領の支持率は前週より2ポイント上がって39%。政党支持率は、与党「共に民主党」が36%、最大野党「国民の力」が27%でした。

ところが、2028年4月に行われる総選挙について聞いたところ、「政権を牽制するため野党候補が多く当選すべきだ」と答えた人が47%で、「政権を支えるため与党候補が多く当選すべきだ」と答えた人の34%を13ポイント上回りました。

この結果は何を意味するのでしょうか。なお、総選挙は4年に一度行われ、300人の国会議員が総入れ替えとなります。

世論調査結果を元に作成。

世論調査結果を元に作成。

今回の調査を過去の選挙結果と比べた、週刊誌『週刊京郷』の分析は興味深いものがありました。

これによると、「共に民主党」は2024年4月の総選挙で首都圏122議席のうち、102議席を獲得しました。

しかし、今回の世論調査を地域ごとに見ると、ソウルでは政府支援が30%に対し、牽制が55%。首都圏の仁川(インチョン)・京畿道(キョンギド)でも31%に対し52%と、「共に民主党」の圧勝を支えた地域で半数以上が野党の勝利を望んでいます。

首都圏は多くの議席が集中し、総選挙の最大の勝負どころです。『週刊京郷』は、この結果が実際の投票に結びつけば、民主党は前回確保した首都圏の議席の多くを失う可能性があると分析しています。

与党の勝利を望む声が多かったのは、民主党の地盤である南西部の光州・全羅地域だけでした。同誌はこの状況が続く場合、民主党は全国政党としての基盤を失い、光州・全羅を中心とする地域政党へと縮小する可能性があると分析しています。

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さらに、政治コンサルタントのチェ・ビョンチョン氏は自身のSNSに「保守の本拠地である大邱(テグ)・慶尚北道(キョンサンプクト)をも上回る厳しい数字が出た」と指摘しています。

大邱・慶尚北道では、政府支援31%に対し、牽制53%と大差で野党支持に傾きました。ソウルで保守の地盤とほぼ同じ数字が出たことになります。

もちろん、これは投票先を聞いた調査ではありません。選挙までに政党の勢力関係や選挙制度も変わり得るため、民主党が惨敗すると考えるのはまだ早いでしょう。

ただ、政権を牽制したいという声は首都圏や「勝敗のキャスティングボードを握る」中部地方の忠清で多く、20・30代の若者や60代以上にも広がっています。(朴眞煥)

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(2)京畿道知事から代表まで重なる失態…与党に厳しい逆風

「民主党に所属する議員の言動が国民の期待に応えられなかったことに、院内代表として大きな責任を感じる。李在明政権とともに国政運営に無限の責任を負う与党であることを、一瞬たりとも忘れてはならない」

20日、与党・共に民主党の韓柄道(ハン・ビョンド)院内代表は危機感を露わにしました。日本では各党の国対委員長にあたるポジションです。

発言の背景には、京畿道の秋美愛(チュ・ミエ、67)知事による失言と、その後の謝罪をめぐる批判があります。秋氏は国会議員当選6回、党代表や法相を務めた大物政治家です。

秋美愛・京畿道知事。同氏のXより引用。

秋美愛・京畿道知事。同氏のXより引用。

発端は13日の国政監査でした。消防士の人件費の大半を地方自治体が負担している財政問題をめぐり、秋氏は「消防は財政を吸い上げる、一番厄介なストローのようだ」としたのです。

現場の消防士を軽んじる発言だと反発が広がる中、16日には京畿道富川市の工場で大きな火災が発生し、消火活動にあたった消防士、キム・ジンソクさん(44)が亡くなりました。

そして秋氏は17日、殉職した消防士の弔問を終えた後に謝罪しました。しかし、その言葉は「私の意図と違って伝わったのなら遺憾」「謝罪を望まれるので、心を込めて謝罪する」というものでした。

自らの非を認めるのではなく、「受け取る側の問題」「求められたから頭を下がる」としか解釈できないもので、その誠意を疑う声が上がり、批判世論は沸騰しました。

秋氏は19日に「心に傷を負った消防士の皆さんに心から謝罪する」と改めて頭を下げ、20日には消防労組にも直接謝罪しています。

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京畿道は国会の60選挙区のうち53議席を民主党が占めるほど、共に民主党ならびに進歩派への支持が強い地域です。

リベラル紙・京郷新聞は、今回の失言以降、同地域では世論の悪化も感じられ、党内で秋氏への懸念が強まっていると指摘しています。一部の党員は所属議員に秋氏の処分を求めるメッセージを送ったとも伝えています。

同党のベテラン議員の鄭成湖(チョン・ソンホ)氏もSNSで「口は災いの元だ。まず心から謝罪するのが筋だ」と苦言を呈しました。民主党指導部は所属議員や地方自治体の首長に対し、言動に注意するよう求め、違反すれば厳しく対応すると通知しました。

保守紙・東亜日報は「このままでは次の総選挙で首都圏の候補は全滅する」という党内の声を伝えています。国家情報院長も務めた、やはり同党のベテラン議員である朴智元(パク・チウォン)議員は秋氏への警告処分を求めていますが、指導部は慎重な姿勢です。

同紙は、秋氏を処分すれば、党内対立につながりかねないという事情も伝えています。

共に民主党ではこれ以外にも、金民錫(キム・ミンソク、62)代表の失態がやり玉に挙がっています。地方のお祭りのコンサートの途中で舞台に上り挨拶したり、前出の殉職した消防士の弔問に訪れる際には救急車両用の駐車場に専用車を停めるといった行為です。

同党の指導部は公式謝罪をしていますが、大統領の支持率が低迷する背景に、迷走する与党の存在があることは明白です。(朴眞煥)

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(3)ソウルが「世界最高の大都市」1位に…観光への苦情は過去最多

ソウルが、米旅行誌『コンデナスト・トラベラー』の読者投票で「世界最高の大都市」の1位に選ばれ、話題です。昨年1位だった東京を上回り、前年の5位から大きく順位を上げました。

この人気を裏付けるように、訪韓外国人観光客も急増しています。文化体育観光部が9月28日に発表した集計によると、今年1〜8月の訪問客は約1505万人で、前年同期比21.6%増となりました。

一方で、苦情も増えています。韓国観光公社のデータによると、外国人からの観光に関する苦情は1〜9月に2057件と、昨年1年間の1593件を上回り過去最多となりました。

訪韓外国人観光客による苦情の統計。韓国観光公社の資料を元に作成。

訪韓外国人観光客による苦情の統計。韓国観光公社の資料を元に作成。

苦情は宿泊、買い物、タクシーの順に多く、予約後の追加料金や運賃の二重払いなどが報告されています。極端な例ではありますが、通常3万ウォン前後の区間で48万ウォンを請求された日本人旅行者の被害も中央日報で報じられています。

また、同紙はソウルの「公衆トイレ問題」も取り上げています。その数は今年1月時点で5703か所と、東京の約4200か所よりも多いものの、地図アプリへの表示や外国語の案内が不十分で、見つけにくいというのです。

他にも食堂での追加料金の徴収や、外国人差別への差別行為なども報告されています。とても残念なことで、早期の改善が望まれます。(朴眞煥)

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(4)23人死亡火災に懲役4年、「悪魔の判決」と遺族が批判

2024年6月24日、京畿道華城(ファソン)市の電池メーカー「アリセル」の工場で、リチウム電池の爆発による火災が起きました。この火災で従業員23人が犠牲になりました。

そのうち18人は中国籍などの外国人労働者でした。事故の2日前にも同様の爆発が起きましたが、会社側は電池を分けて保管する安全措置を取らないまま、作業を続けさせました。安全教育や火災時の退避訓練なども大きく不足していました。

会社側が重大災害処罰法違反などの罪に問われた裁判で、大法院(最高裁)は20日、同社の朴順寛(パク・スングァン)代表に対し、懲役4年を言い渡した二審判決を確定させました。

一審では懲役15年が宣告されていましたが、二審では「工場2階に別の非常口を設ける義務はなかった」と判断。一部の罪を無罪とし、一部の遺族との示談も考慮して大幅に減刑していました。

リベラル紙・ハンギョレは、「亡くなった人を二度殺し、遺族を再び苦しめる悪魔の判決だ」という遺族の声を伝えています。また、事故後の示談で刑が軽くなるなら、経営者の責任を問う法律の意味が薄れるという労働界の批判も伝えています。(朴眞煥)

韓国の産業災害死亡率は、30数か国の経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でワースト5に入る高さだ。

韓国の産業災害死亡率は、30数か国の経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でワースト5に入る高さだ。

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●朴眞煥のきょうのひと言

韓国では今、2024年12月3日に起きた内乱に関与したとして、起訴された人たちの裁判が続 いています。

21日には、内乱に関与した重要な役割を担った罪で起訴された朴成在(パク・ソンジェ)前法務大臣の2審判決がありました。裁判部は彼の内乱への関与を認めたものの、一部の罪を無罪とし、1審より16年短い懲役9年を言い渡しました。

今日の記事でも取り上げましたが、「アリセル」の朴順寛(パク・スングァン)代表の刑も、懲役15年から4年に減りました。裁判所の判決は尊重すべきだと思います。それでも、庶民の感覚では、なかなか理解に苦しむところがあります。

一連の裁判を見ていると、「法は権力者や資本家には優しい」と思ってしまいます。なんだか 憂鬱な一日でした。 

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(5)今日の時事韓国語「담화」

「タムファ」と読みます。漢字では「談話」となります。

朝鮮の金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党総務部長が連日、談話を通じ韓国への非難を続けています。

最新の談話は21日に発表されています。南北の軍事境界線において、韓国に向けた心理戦を行うための拡声器(スピーカー)を10月内に稼働状態にするという内容でした。

金与正氏はさらに、22日にも「警告」を発表し、韓国への圧力を強めています。韓国の世論はひと言で「うんざり」でしょう。こうした反応こそ、金正恩政権が望むものだと思います。(徐台教)

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今日はここまでです。南北関係では落ち着かない情勢が続いています。突っ込んでくる北側に対し、韓国側には軍事境界線付近で小競り合いが起こることを避けながらも、毅然とした対応を取らなければならない難しさがあります。うまくやり切ってほしいところです。

それではまた明日。アンニョンヒケセヨ。ありがとうございます。(徐台教)

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