【デイリー・コリア・フォーカス】26年4月24日号

本ニュースレターは、サポートメンバーおよび一般登録会員すべての方にお送りしております。
徐台教 2026.04.24
誰でも

皆さま、アンニョンハセヨ。

4月24日、金曜日です。今日も「デイリー・コリア・フォーカス」をお送りいたします。

今日は午前中、昨日お送りした戦時作戦統制権に関する内容を補完し、記事としてYahoo!ニュースに寄稿しようと作業を進めていました。取材に加え、かなり内容を足したので、これをもってニュースレターに代えようと目論んでいたのです。

しかし2時間くらいで終わるかなと思っていたところ、分量が多くなりすぎてしまい一日では書き切れないと判断、週末に持ち越しとなりました。ニュースレターと記事では文体が異なるのでなかなか厄介です。

ということで15時を過ぎた今から、急遽新たにニュースレターを書き始めています。この後、17時には家を出なければならないので、急ぎ足での配信となります。

今日の目次は以下の通りです。

1. 労組がストライキ予告…韓国時価総額1位企業「サムスン電子」、利益分配の行方は
2. 支持率15%、最大野党・国民の力の深刻な支持者離れ
3. 今日の時事韓国語「파업」

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1. 労組がストライキ予告…韓国時価総額1位企業「サムスン電子」、利益分配の行方は

韓国には世界的に知られた半導体企業が二つあります。一つは「サムスン電子(韓国語の発音ではサムソンです)」、もう一つが「SKハイニックス」です。

2025年、サムスン電子の年間売り上げは332兆7700億ウォン(約35兆8700億円)、営業利益は43兆5300億ウォン(約4兆7000億円)でした。

一方のSKハイニックスは同じように2025年の年間売り上げは97兆1467億ウォン(約10兆4700億円)、営業利益は47兆2063億ウォン(約5兆900億円)でした。

23日付「韓国経済」によると、この二社が韓国有価証券市場に占める割合は41.25%に達します(サムスン24.80%、SK16.45%)。

国際的な半導体需要により、二社ともに2026年も躍進すると見られ、サムスン電子は営業利益300兆ウォン(約32兆円)超えが予想されるほどです。

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サムスン電子労組による集会のニュースを伝える、地上波SBS。同放送をキャプチャ。

サムスン電子労組による集会のニュースを伝える、地上波SBS。同放送をキャプチャ。

この莫大な利益の配分をめぐり、サムスン電子が今、大きく揺れています。

「透明に変えて!上限の廃止を実現しよう!」

23日、京畿道(キョンギド)平澤(ピョンテク)市。サムスン電子が誇る大工場の前で、4万人の労働者が一斉に声を上げました。

この4万人という数は、同社ではたらく労働者の三分の一にあたる数です。揃いのヘルメットと労組のチョッキに身を固めた彼らは、同社が稼ぎ出す莫大な営業利益の分配を求めているのです。

労組の要求は営業利益の15%を成果給として支給せよというもの。SKハイニックスが昨年9月、営業利益の10%の支給で妥結したことを参考にしているとされます。

労組は会社側がこれを受け入れない場合、5月21日から18日間のストライキを行うと表明しています。半導体生産ラインが止まることで、会社に18兆ウォン(約1兆9400億円)近い損害が出ると、労組側は明かしています。

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こんな難しい判断を迫られるサムスン電子について、韓国メディアは大々的に報じています。

24日付の一面でこの内容を扱ったリベラル系日刊紙「京郷新聞」によると、サムスン電子の社員の中には、より待遇のよいSKハイニックスに移る者が少なからずいるようです。

会社を支える人材をつなぎとめるためにも、一定の成果給を出す他にないとしながらも、赤字部門もあるなかで、部門ごとの調整も必要だろうという論調でした。

同紙の一面見出しには『‘社会的な合意’の試験に臨む、国民株サムスン電子の‘利益配分’』とあります。

24日付「京郷新聞」一面。筆者撮影。

24日付「京郷新聞」一面。筆者撮影。

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同社は今、韓国に460万人いるとされる株主への利益配分と、これまでのように莫大な研究・設備投資を続けることも両立させなければならないという課題を突きつけられている形です。

過去、労組の切り崩しなどを通じ「無労組経営」を長く続けてた同社ですが、これを機に、しっかりとした成果配分システムを作るべきという意見が韓国メディアに散見されます。私もそう思います。それにしてもとんでもない桁の金額ですね。

サムスン電子の直近一年の株価推移。株価は4倍になりました。NAVER証券よりキャプチャ。

サムスン電子の直近一年の株価推移。株価は4倍になりました。NAVER証券よりキャプチャ。

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2. 支持率15%、最大野党・国民の力の深刻な支持者離れ

6月3日の統一地方選を控え、韓国は選挙ムード…と言いたいところですが、まだ本格的に選挙運動期間が始まっていないため、それほど盛り上がりを感じません。

それとは別にもう一つ、盛り上がらない理由があります。与党・共に民主党としのぎを削ってきたライバル政党・国民の力の支持率が低迷を超え、急下降しているのです。

23日に発表されたNBS(全国指標調査、調査期間4月20日~22日)によると、政党支持率において国民の力は15%でした。48%だった共に民主党の三分の一にも満たない水準です。グラフを見ると、下がり続けているのが分かります。

昨年10月第三週から6ヶ月間の政党別支持率推移。青が共に民主党、赤が国民の力。その差は広がり続けています。NBSより引用。

昨年10月第三週から6ヶ月間の政党別支持率推移。青が共に民主党、赤が国民の力。その差は広がり続けています。NBSより引用。

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理由はこれまで本ニュースレターで何度も言及してきたように、同党の張東赫(チャン・ドンヒョク)代表をはじめとする指導部が、内乱首謀罪で無期懲役判決(一審)を受けた尹錫悦前大統領と決別できないためです。

同党はつまり、社会的に「内乱政党」というレッテルを貼られ続けているのです。

なお今日24日、検察は尹錫悦氏に懲役30年を求刑しました。非常戒厳を控えた24年10月、緊張状態を醸成し、非常戒厳の名分を強めるため平壌にドローンを飛ばした一件を指示した疑いです。あわや局地戦という危険な状況でした。来週に別途取り上げます。

現職の呉世勲(オ・セフン)ソウル市長をはじめ、選挙を控えた候補たちの多くが、張東赫氏に公然と不満を弁を述べ、張氏抜きで選挙をたたかう姿勢を明らかにしています。

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そんな状況を前に、保守紙「朝鮮日報」の名物コラムニスト、ヤン・サンフン氏は23日、同党支持者の「棄権するという心情」について書いています。

これまでのように、党に不満はあるが、それでも国民の力に投票することで、少しでも野党に力を添えようという考えをしなくなっているという話です。

「(野党に投票することで)張東赫の功績となり、この先もあの人が党代表を務めることになったら、希望もなにもない」という声は強烈でした。

このように、少なくない保守層の人々が、国民の力を再生させるために、同党が惨敗する他にないと考えているというのです。

コラムは最後、「しかしそうした場合に待っているのは、野党の革新ではなく、よりなんでも有りになった政権の暴走である可能性が高い。これこそが進退窮まったということか」と閉じられています。

なお、同調査で李在明大統領の国政肯定評価(支持率)は69%と過去最高でした。

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3.  今日の時事韓国語「파업」

「パオプ」と読みます。漢字では「罷業」です。ストライキのことです。ニュースによく出る単語です。

なお、様々な企業の労働者が一斉にストライキに入るゼネストは「총파업(チョンパオプ、総罷業)」と呼ばれます。

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今日はここまでです。

明日はソウルで韓半島(朝鮮半島)の平和を願うイベントがあるので、すこし顔を出してみようと思います。

もうすぐGWですね。楽しい週末をお過ごしください。

今週もありがとうございました。アンニョンヒケセヨ。(徐台教)

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