【デイリー・コリア・フォーカス】26年4月21日号

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徐台教 2026.04.21
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皆さま、アンニョンハセヨ。

4月21日、火曜日です。黄砂舞う金浦から「デイリー・コリア・フォーカス」をお送りいたします。桜の次は黄砂。これは毎年恒例です。

今日は朝から連続で約束があったため書き始めが大幅に遅れました。短めのニュースレターとなります。目次は以下の通りです。

1. [続報]統一部長官の「亀城核施設」発言騒動に、李大統領も‘参戦’
2. 今日の時事韓国語「한라산」

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1. [続報]統一部長官の「亀城核施設」発言騒動に、李大統領も‘参戦’

昨日お伝えした鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官の「失言騒動」の続報です。

騒動の中身は先月6日、鄭長官が平安北道「亀城(クソン)市にウラン濃縮施設があると発言したことを問題視した米国が、先週から韓国への北朝鮮情報の提供を一部止めたというものです。

昨日のニュースレター以降の動きをまとめます。

まず、昨晩、インドを国賓訪問中の李在明大統領がお得意の(?)Xに次のように書き込みました。

鄭長官の『亀城(クソン)核施設』発言の前から、亀城に核施設が存在している事実は、各種論文とメディアの報道で既に世界に広く知られていた点は明白なファクトです。

鄭長官が『米国が教えてくれた機密を漏えい』したことを前提に行うあらゆる主張と行動は間違っています。

いったいなぜ、こんなおかしな事が起きているのか、詳しく確かめてみなければなりません。

李在明大統領のXより。

李在明大統領のXより。

1963年生まれの李在明氏は2007年、当時大統領候補(大統合民主新党)だった10歳年上の鄭東泳氏の副秘書室長として、本格的に政治の世界に足を踏み入れました。

二人はその後も関係を維持し、2022年の大統領選で鄭氏は全面的に李氏を後押ししました。特別な関係だけあって、李大統領の書き込みは感情的ですらありました。

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保守野党は相変わらず、攻勢を強めています。その根拠の一つとなったのが、米国の国際政治学者で北朝鮮専門家のビクター・チャ氏による、自身のXへの書き込みでした。

鄭東泳長官は昨日の段階で「北韓の亀城地域で核開発活動があるというのは(中略)昨年の米国のCSIS報告書まで繰り返し提起されている」とXに書いています。

まさに今、そのCSIS(戦略国際問題研究所)で韓国担当上級顧問を務めているチャ氏が今日午前、「CSISは亀城の核施設に対する報告書を一度も書いたことはない」と明かしたのです。

ビクター・チャ氏のX より。

ビクター・チャ氏のX より。

これを受け、最大野党・国民の力の張東赫(チャン・ドンヒョク)代表は「韓米同盟の危機」と煽り立てました。

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事実はどこにあるのでしょうか。そんな疑問に答える説明資料を21日午後、統一部がメディア向けに配布しました。

これによると過去4度、メディアやシンクタンクを通じ「亀城」への言及があったというのです。

鄭東泳長官による説明と同じように、米国からの情報を元に「亀城」の名を挙げた訳ではないという主張を繰り返している形です。これだけではいまいち分かりません。

このため私も、知人の北朝鮮専門家数人に「亀城にウラン濃縮施設があることを知っていたか」と確認してみました。

答えは「核問題を専門にやっている人ならば知っているが、そうでなければ知らないかもしれない」というものでした。

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それでは改めて、今回の問題をどう見ればよいのでしょうか。

今日話を聞いたある北朝鮮専門家は「鄭東泳への攻撃の延長線上に、李在明への攻撃がある」と見立てていました。前述したような二人の関係性から、それは明らかだというのです。

しかし、李大統領と鄭長官を強く攻撃する保守野党と、メディアの論調の間には差があります。見ていきましょう。

21日付の日刊紙の内、二紙がこの件を社説で取り上げました。

中央日報の社説。

中央日報の社説。

保守紙「中央日報」のものは『北韓の挑発が厳重な時期に、同盟の不信を招いた統一部長官』というタイトルでした。

内容はまず、北朝鮮が4月19日に試射した「火星砲-11ラ」型戦術弾道ミサイルに触れています。

集束弾(クラスター弾)と地雷を空中で散布する破片地雷弾頭を装着しており、一発でサッカー場18個の面積を焦土化する威力を持っているとしながら、こんな時期に米国との軋轢が生まれたことを憂慮しています。

鄭東泳長官に対しては、情報の出所よりも「亀城を知っている」と明示したことが、己の手のうちを明かすことになりよろしくないと批判しました。

さらに、非武装地帯(DMZ)への韓国独自の立ち入りや米韓合同軍事演習の縮小を主張するなど、鄭長官と米国間の不協和音という不満のタネについても言及しています。

とはいえ、その論調は全体的にソフトでした。

イランでの戦争のため在韓米軍の兵器が一部、中東に移動配置されているからこそ気をつけなければならないとした上で、言動に格別に気を付けるよう鄭長官に求めました。

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なお、韓国国防部は今日午後、メディア向けに「在韓米軍司令官が韓国の安圭伯(アン・ギュベク)国防部長官に抗議した事実はない」と公式に明かしています。国民の力のとある議員が声高に主張していた内容を、退けた形です。

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最後に、リベラル系日刊紙「京郷新聞」の21日付社説『米国の対北情報の制限、『対北政策の飼いならし』との誤解を呼ぶな』を紹介して終わります。

米国が一方的に情報提供を止めている点は遺憾であるとしながら、結果として北朝鮮への監視体制が弱くなることにつながると指摘しました。

だからこそ、韓米は早期にこの問題に決着をつけるべきというものです。

さらに「なぜ今か」という問題を提起しています。

昨年7月にも鄭長官は「亀城」に言及しますが、その際に米側は不満を述べていなかった点を取り上げながら、「李在明政府の当時者性と自律性を侵害することはよくない」と判断しました。

鄭東泳長官ならびに李在明政府の朝鮮半島政策への不満を、米国がこういう形で表していると誤解を呼ぶ可能性があるというものです。

その上で、韓国政府は言動に気をつけ、米国も「韓国を飼いならそうとする」という誤解を受けないようにすべきと強調しました。

なお、「国民の力は米韓に亀裂を走らせる政治攻勢をやめるべき」という一文で社説は閉じられています。

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今回の騒動は、「反共=親米」に頼り支持率の回復を望む、韓国の保守陣営の煽り立てがない限り、成立しないものです。

先に挙げた両紙のような穏当な見方が大勢を占めていると見てよいでしょう。

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2. 今日の時事韓国語「한라산」

「ハルラサン」と読みます。漢字では「漢拏山」となります。済州島にある標高1950メートルの火山です。「ハンラサン」とも書きますが、発音はハルラサンです。

なぜ突然、山の名前が出てくるのでしょうか。今日午後、韓国の国会で南北関係に関する学術セミナーがありました。

そこである教授が「毎年授業をはじめる時に生徒達に『ウリナラ(韓国)で一番高い山はどこだ』と聞くと、ほとんどは『白頭山』と答えるのだが、最近では『漢拏山』と答える生徒が半数を超える」と言っていました。

白頭山は朝鮮民主主義人民共和国と中国の国境にある山で、標高2760メートル、朝鮮半島の最高峰です。一方、漢拏山は韓国最高峰。

つまり、今の若い世代にとって、韓国の領土意識は、軍事境界線の南側に限定されているという話です。憲法3条では「大韓民国の領土は韓半島とその付属島嶼とする」と定めています。「学生たちは憲法違反だ」と、その教授は笑っていました。

今日のセミナーでは「北朝鮮は分断の歴史を否定している」など、鋭いテーマがいくつも出てきました。

この辺の南北関係の最新事情はじっくり書かなければならないのですが(結局、私以外に誰も書かない)、そこまでたどり着けないのが悲しいところです。ちょっと仕事のやり方を考えてしまいます。

21日のセミナーの様子。筆者撮影。

21日のセミナーの様子。筆者撮影。

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今日はここまでです。

最後はなぜか暗くなってしまいましたが、それではまた明日!

お読みいただきありがとうございます。アンニョンヒケセヨ。(徐台教)

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