【デイリー・コリア・フォーカス】26年4月10日号

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徐台教 2026.04.10
誰でも

皆さま、アンニョンハセヨ。

4月10日、金曜日です。今日も韓国から「デイリー・コリア・フォーカス」をお送りいたします。

いくつかのSNSがある中で、私は普段、X(旧ツイッター)をメインにやっています。もう10年くらい運営つづけていて、フォロワーも3万人を超えているため、記事や情報を拡散する際に重宝しています。

フォロワーを増やそうとやっきになっていた頃に比べ頻度は減りましたが、それでも一日に何度も覗きにいきます。

すると、たくさんのニュースが流れているのを目にします。驚くのはその速度です。Xが即時性に優れたSNSである点を差し引いても、本当にたくさんのニュースが流れていきます。

その流れに乗るのか、それとも別の形で情報を発信するのか。

両方できるに越したことはないのですが、現実的な無理であるため、私はなるべく後者を選ぼうとしています。

理想の形は、今のような毎日の無料ニュースレターに加え(内容をさらに精査)、毎週3~5本の取材に基づくしっかりした記事もしくは識者オピニオンコラムといった、有料記事を配信する形です。今年の秋頃には現実にしたいところです。

以上、言い訳でした。

今日は日中いそがしく、本当に時間がなくなってしまいました。駆け足でいきます。

目次は以下の通りです。

1. 統一地方選での憲法改正国民投票、61%が賛成
2. 「戦時殺害とユダヤ人虐殺は同じ」李在明大統領がSNSでイスラエルを批判
3. 今日の時事韓国語「빛의 혁명」

***

1. 統一地方選での憲法改正国民投票、61%が賛成

4月2日のニュースレターで詳細にお伝えした、韓国の改憲論議。

翌3日、最大野党・国民の力を除く与野党6党が改憲案を合同で発議しました。次は国会での可決を目指すことになりますが、それには国民の力から10人の造反が必要な状況です。

国会で可決される場合、国民投票に付されることになります。半数以上が賛成で改正となりますが、6月3日の統一地方選と国民投票を合わせるというのが、発議側の目論見です。

統一地方選当日は公休日です。単独で国民投票を行うよりも高い投票率を期待でき、コストも削減できる点から「同時投票」案が注目されています。

***

これに対して、有権者はどう思っているのでしょうか。4社が合同で行う信頼できる世論調査、全国指標調査(NBS)の結果が9日、発表されました。

全国指標調査(NBS)の結果。AI作成です。

全国指標調査(NBS)の結果。AI作成です。

図にあるように、同時投票に賛成する回答者は61%でした。特に自身を進歩層と認識する層では82%が賛成し、中道層でも65%が賛成する結果でした。

なお、調査は1000人を対象に行われており、その中で進歩層は272人、中道層は334人、保守層は252人、分からない/無回答は142人でした。

こうなると、改憲そのものを有権者はどう思っているのかという部分が気になりますよね。

これは以前お伝えしたように、2月に国会が1万2000人を対象に行った調査が最も引用されます。当時は68.3%が改憲に賛成するというものでした。

最新のものでは、進歩系メディアが運営する「メディアトマト」による調査がありました。4月6日から7日にかけて行われたもので、賛成56.5%、反対27.5%、分からない16.0%でした。

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改憲は実現するのでしょうか。国民の力の張東赫(チャン・ドンヒョク)代表は、頑強に改憲への参加を拒否しています。

4月7日、与党・共に民主党の鄭清来(チョン・チョンレ)代表と張代表、そして李在明大統領が青瓦台で会談しました。

この席で張代表は李大統領に対し「重任もしくは連任しないことを国民にまず宣言すべき」と述べました。李大統領はこれに答えなかったそうです。

7日、青瓦台で行われた「与・野・政府 民生経済協議体」の様子。右端が張東赫代表。青瓦台提供。

7日、青瓦台で行われた「与・野・政府 民生経済協議体」の様子。右端が張東赫代表。青瓦台提供。

張代表はその後の会見で「回答を避けた」と怪気炎を上げましたが、この論理で改憲に反対を続けていくものと見られます。

既にお伝えしている通り、今回の改憲内容には大統領の任期に関する内容は入っていませんし、改憲を行う時の大統領の重任や連任はないということは、既にコンセンサスとして韓国社会に確立しています。

このように、国民の力は合理的な批判と非合理的な批判をごちゃまぜにする姿勢が目立ちます。これにより合理的な批判が力を失い、同党の支持率も下がる一方です。迷走という他に表現のしようがありません。

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2. 「戦時殺害とユダヤ人虐殺は同じ」李在明大統領がSNSでイスラエルを批判

10日の朝8時47分、李在明大統領がXを更新しました。建物の屋上からイスラエルの軍人が人を蹴り落とす衝撃的な映像を引用しながら、こう書きこんだのです。

「これは事実なのか、事実ならばどんな措置があったのか、確かめてみなければなりません。私たちが問題視する慰安婦強制、ユダヤ人虐殺と戦時殺害は異なりません」

文章が整っておらず、個人の書き込み―それも感情がだいぶ揺さぶられたもの―であると見受けられる内容でした。実際に映像はひどいものでした。

イランと米国の休戦協定のインクが乾かない内にレバノンを爆撃し、多数の民間人を殺害したイスラエルの姿が重なります。

李在明大統領のXへの書き込み。現時点で453万人が見ています。Xをキャプチャ。

李在明大統領のXへの書き込み。現時点で453万人が見ています。Xをキャプチャ。

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それから4時間後の12時37分、李大統領は先ほどの書き込みを引用する形でこう書きました。これは整った文章でした。

いかなる状況においても、国際人道法は遵守されなければならず、人間の尊厳性もまた、妥協できない最優先の価値として守られなければなりません。

映像は24年9月に発生した実際の状況で、米ホワイトハウスがとても衝撃的(deeply disturbing)とまで評価し、ジョン・カービーなど米国の当局者が「嫌悪され許容できない行動」とまで言及した出来事です。

これに対し、イスラエルの関連調査と措置があったと言います。

少し救われるとしたら、生きている人ではなく遺体であったという点ですが、遺体であってもこのような処遇は、国際法違反です。

過去の歴史の中で起きた数多くの悲劇は、人権の尊さが何よりも最高で、最前の価値であることを教えてくれました。

ひどい痛みの上に残された教訓を、繰り返される残酷劇として繰り返してはなりません。

そうしてこそ、人類みなが相生(共生)する和解と協力の未来へと進んで行けます。いかなる理由があろうとも、どこにおいても、人権は最後の砦であり、どんなものにも代えられない価値です。

この一連の書き込みの後、李大統領がこれに言及しておらず、また現時点まで青瓦台側も発表がないため、これ以上は分かりません。

余談ですが、高市首相のように、李大統領もメディアの取材を全然受けていません。記者会見は数か月に一度あるだけで、あとは報道官がしゃべるだけです。

いわゆる「ぶら下がり」のような囲み取材もありません。時たま市民と触れ合うタウンホールミーティングなどはありますが、これも会見とは異なります。

金大中、盧武鉉といった進歩派の大統領は取材をたくさん受けていましたが、文在寅氏以降はとみに権威的になりました。保守派は言うに及ばずです。

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本論に戻ります。一方で、野党は李大統領を批判しました。

国民の力の宋彦錫(ソン・オンソク)院内代表(国対委員長に相当)は、「北韓の人権には関心がなく、(北朝鮮に対し)天安艦(沈没事件)の謝罪要求もできない大統領が、遠くのイスラエルの状況はどうやって事実確認したのか」と厳しく攻め立てました。

改革新党の李俊錫(イ・ジュンソク)代表も「大韓民国の大統領が他国の映像を共有しながら、該当国家を公開非難する前例ができた。北韓、中国、ロシア、イランにも同じような基準を適用するのか」とFacebookに書き込みました。

結論としては、李大統領が軽率だったということになるでしょう。

イスラエルへの怒りは当然理解できますが、それを表現するならもっときちんとした声明を出すなど、やり方はいくらでもあるはずだからです。

一方、韓国は10日、外交特使をイランへと派遣することを決めました。

クウェート大使を務めたことのある、チョン・ビョンハ極地協力代表です。ホルムズ海峡の船舶通過について協議を行います。既にイランに向かっているとのことです。

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3. 今日の時事韓国語「빛의 혁명」

「ピチェ ヒョンミョン」と読みます。日本語では「光の革命」となります。

尹錫悦前大統領を法律の手続きに従い弾劾したことを、より正確には、これを支えた市民の運動を総称するものです。

時期的には非常戒厳があった24年12月3日から憲法裁判所が尹錫悦大統領の罷免を宣告した25年4月4日までの123日間にあたります。

そして韓国で今日、この期間の韓国市民の記録を整理したサイト『光の記録』がオープンしました。市民団体の連合体、「内乱清算・社会大改革非常行動」によるものです。

123日間を非常戒厳宣布、弾劾訴追案の可決、尹錫悦氏の拘束起訴と捜査拡大、罷免宣告という4つの時期に分け、刊行物、写真、文書、プラカードなど、細かい検索ができるようになっています。

日本語ブラウザで閲覧する場合、ボタンが自動的に日本語に変わるため、直感的に使えます。膨大な資料がアーカイブされているため、一度目を通してみてください。

Xでは今、4月8日に日本各地であった反戦・反高市政権集会を受け、韓国の市民と日本の市民が集会のノウハウをやり取りする動きが活発に行われています。日韓ならではの、興味深い光景です。

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今日は以上です。それではまた来週お届けします。

よい週末をお過ごしください。ありがとうございます。(徐台教)

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