【デイリー・コリア・フォーカス】26年4月8日号

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徐台教 2026.04.08
誰でも

皆さま、アンニョンハセヨ。

4月8日、水曜日です。今日も韓国から「デイリー・コリア・フォーカス」をお送りいたします。

昨日はコーヒーを飲み過ぎたせいか、夜になって持病の逆流性食道炎の症状がひどくなりました。横になれないほどの痛みで、結局、座ったまま夜を徹しました。

スマホを見る気にはなれず、本も読めない。そこで私は、このニュースレターを読んでいらっしゃる皆さんのメールアドレスを一つ一つ眺めていました。

ご存知のように、ニュースレターの配信登録にはメールアドレスだけが必要で、名前の入力欄もありません。1000や2000という数ではないのですが、これはもしかしてあの人だろうか、この方はなぜこんなアドレスにしたのだろうか、と考えていたら朝になっていました。

痛みもそれと共になんとか治まりました。貴重な機会でした。

それにしても今朝の一番のニュースは、米国とイラン間の停戦合意でした。昨晩ねむれなかったもう一つの理由です。まだ予断を許しませんが、ホッとしました。しかし、イランが核開発を急ぐ可能性が生まれ、これを阻止しようとする米・イの間にさらなる衝突が予想されます。

ということで、今日の目次は以下の通りです。体調を考え、軽めの内容とします。

1. ソウルのガソリン代平均が1リットル214円を突破、ナフサは「5月がヤマ」か
2. ノルウェーの教授が韓国の養子制度を告発する書籍を出版
3. 今日の時事韓国語「입양」

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1. ソウルのガソリン代平均が1リットル214円を突破、ナフサは「5月がヤマ」か

国際的な原油価格の値上がりと共に、韓国のガソリン価格も上昇を続けています。7日、ソウルでの平均価格が1リットル2002.79ウォンとなりました。日本円では約214円です。

政府は精油会社がガソリンスタンドに供給するガソリン価格に、上限を設けていますが、価格の上昇は止まりません。

最近十日間で90ウォン(約9.6円)近く上がりました。韓国メディアはこの傾向が今後も続くと見ています。

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韓国は、イランにより封鎖されているホルムズ海峡を通じ、原油の61%を輸入しています。原油の確保状況はどうなっているのでしょうか。

この質問に対する答えは、「4月は前年に比べ59%、5月は同69%を確保している」というものです。7日、姜勲植(カン・フンシク)大統領秘書室長が会見で明かしています。日本における官房長官のような存在です。

なお、韓国は毎月、8000万バレルの原油を必要としています。つまり、4月分は5000万バレル、5月分は6000万バレル確保したということです。中東での不足分をサウジアラビア、米国、ブラジル、豪州、コンゴ、ガボン、カナダなど17か国の物量で補っていると、韓国の産業通商部は同日、明かしています。

これでも足りないため、昨日お伝えしたように姜勲植秘書室長が、カザフスタン・オマーン・サウジアラビアに原油確保のための特使として旅立ちました。

家の近所のガソリンスタンド。ガソリンは1989ウォン、軽油(ディーゼル油)は1974ウォン、ハイオクは2259ウォンです。筆者撮影。

家の近所のガソリンスタンド。ガソリンは1989ウォン、軽油(ディーゼル油)は1974ウォン、ハイオクは2259ウォンです。筆者撮影。

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一方、韓国ではガソリン節約のため、今日8日から、行政機関と自治体を対象にする「車両2部制」が始まっています。

ナンバープレートの末尾が奇数と偶数の車両に分け、偶数日には偶数車両が運用、奇数日には奇数車両が運用できる制度で、該当しない車両は行政機関と地方自治体の建物に入れないようにするものです。

公務員が対象になる制度と理解すればよいでしょう。一方、公用駐車場には「車両5部制」が同日から導入されています。これは一般市民も対象にするものです。

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日本でも不足が指摘されるナフサはどうなっているのでしょうか。やはり産業通商部によると、韓国はナフサの国内需要のうち45%を輸入に頼っており、中東産のナフサは輸入量の77%を占めるそうです。

その上で7日、同部が発表したところによると、韓国の4月のナフサ輸入量は「例年の約70%程度の77万トン」とのこと。これに韓国内で生産する110万トンを足す場合、平時の80%以上の水準になるそうです。

しかし、5月分のナフサの確保はそう簡単ではないようです。会見では「国内で生産するナフサは安定して供給される」とだけ言及しているからです。輸入分がどうなるかは今なお不透明です。産業通商部はあくまで、「5月分も継続して供給されるかが重要」と明かしています。

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政府は4月10日に国会での成立を目指す補正予算のうち、約4,694億ウォン(約502億円)をナフサ輸入の支援にあてる予定です。

しかし、これはナフサ価格の上昇率に追いついていない数値であり、再計算が必要であるという専門家のレポートを経済紙「毎日経済」が7日付の記事で紹介しています。なお、韓国政府は3月27日以降、ナフサの海外輸出を禁止しています。

ナフサについては、メディアの論調が原油についてのものと異なり、まちまちです。それでも「5月も問題ない」と書き切っている記事は、今のところ存在しません。

ナフサの用途は食品包装から化粧品容器、医療用品に至るまで多岐にわたりますが、この辺りが現実なのでしょう。危機的な状況は続いていると見るべきでしょう。

8日朝になり、イランが条件付きで二週間のホルムズ海峡の開放を表明しましたが、はやく正常化することが望まれます。

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2. ノルウェーの教授が韓国の養子制度を告発する書籍を出版

8日、韓国各紙にある家族の話が載りました。ノルウェーに住む社会学を専攻する大学教授、クリスティン・モルビク・ボトゥンマルクさん一家のお話です。

教授は1998年と2002年に韓国から二人の赤ん坊を養子として受け入れました。一人目は男の子、二人目は女の子です。男の子の名はアンデルス・ヒョン・モルビク・ボトゥンマルク。

彼にはパク・ヒョンウクという、もう一つの名前がありました。

そして20歳になったある日、アンデルスさんは大学の課題としてアイデンティティを調べる中で、自身がどう養子となったのかを知るための書類を母親に求めたそうです。しかし、養子を仲介した韓国の組織からは十分な資料が届きませんでした。

そしてここから、母と息子は、韓国の養子縁組制度について調べ始めます。そして2024年、その結果をノルウェーで一冊の本にまとめました。同書は今年4月、韓国語で翻訳出版されました。

題名は『あなたの韓国の母親に(너의 한국 엄마에게)』。

副題に「ねつ造とミスで塗り重ねられた超国家的な養子産業の正体(조작과 오류로 덧칠된 초국가적 입양 산업의 민낯)」とあるように、韓国の養子システムを追跡し、告発する内容です。

『あなたの韓国の母親に(너의 한국 엄마에게)』。プルンスプ(푸른숲)という出版社によるものです。同出版社提供。

『あなたの韓国の母親に(너의 한국 엄마에게)』。プルンスプ(푸른숲)という出版社によるものです。同出版社提供。

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養子産業?と、読者の皆さんは驚くかもしれません。

韓国では朝鮮戦争(1950~53)を経て世界最貧国の一つだった1950年代から、韓国の子どもを世界各国へと送る養子事業が始まりました。

韓国政府の統計によると、2023年までに海外に養子縁組に出された児童の数は16万8506人(国内養子縁組みは8万1682人)。その圧倒的多数は1歳から3歳(日本でいう0歳〜2歳)の乳幼児でした。

背景は様々です。未婚の母の子または婚外子であったり、遺棄された場合などがありました。養子として送られた先は、米国・カナダ・スウェーデン、ノルウェー、豪州、フランス、ルクセンブルクなど、いわゆる先進国でした。

養子縁組は今なお続いています。少子化が叫ばれる2020年以降を見ると、2020年には海外に232人が送られています。24年は58人と減少しました。

クリスティンさんは、養子として海外に送られた数十人にインタビューを行い、数々の報道をチェックし、一歩ずつ養子縁組産業の実態に迫っていきます。それは衝撃的なものでした。

70年代から80年代にかけて、養子縁組を斡旋する韓国の組織は、親がいる子どもの書類を「孤児」と書き換え、海外へと送り出したのです。このため、成人後に「実の親」を見つけたくとも見つけられない場合が少なくありません。

さらに、養子に出された子どもがすべて、アンデルス君のように幸せに育った訳ではありません。

アイデンティティの混乱、家庭暴力や虐待、人種差別…クリスティンさんは「なぜノルウェーは子どもを連れてくる代わりに、その親を助けなかったのか?」と問いかけます。ノルウェーには6500人の韓国出身の「養子」が暮らしています。

クリスティン・モルビク・ボトゥンマルクさん(左)とアンデルス・ヒョン・モルビク・ボトゥンマルクさん。韓国を訪問し、7日、書籍をメディア向けに紹介する会を持ちました。私はイベント自体を知らず、参加できませんでした。プルンスプ提供。

クリスティン・モルビク・ボトゥンマルクさん(左)とアンデルス・ヒョン・モルビク・ボトゥンマルクさん。韓国を訪問し、7日、書籍をメディア向けに紹介する会を持ちました。私はイベント自体を知らず、参加できませんでした。プルンスプ提供。

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実は韓国メディアではこれまで何度も、養子縁組の問題が扱われてきました。おととい紹介した「真実和解委員会」でもこの問題を重要なものとして取り上げ、養子縁組の「闇」に光を当てようとしています。

そうとはいえ、全容は明らかになっておらず、第三期の「真実和解委員会」において発刊される真相究明報告書が待たれます。

本書のように、養子を受け入れた人物により書かれた本は珍しいものといえるでしょう。4月7日に発売されたばかりですが、買って読んでみようと思います。

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3. 今日の時事韓国語「입양」

「イビャン」と読みます。漢字で書くと「入養」となります。

養子になること、養子を迎え入れることの両方に使われますが、主に後者の脈絡で使われます。「입양하다(イビャンハダ、入養する)」という形です。乳幼児が自ら望んで養子に行くわけでないので、当然かもしれません。

今日は以上です。

これから病院に行きます。皆さまも体調にはくれぐれもお気をつけください。

アンニョンヒケセヨ。ありがとうございます。(徐台教)

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