【デイリー・コリア・フォーカス】26年3月26日号

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徐台教 2026.03.26
誰でも

皆さま、アンニョンハセヨ。

3月26日、木曜日です。今日から日本出張となり、ニュースレターを書く時間を捻出するのに難儀しました。四ツ谷のコーヒー屋で書いています。

成田空港に着くまでは順調だったのですが、空港は大混雑で、電車に乗るまで約2時間。こんな事は初めてです。旅行するのに良い季節ということもあるのでしょうか、いずれにせよ、日本は大人気ですね。

今日はこの後も日程が詰まっているので、やや省略版とさせていただきます。内容はズバリ、購読している『京郷新聞』の一面紹介。

この手抜き!という声が聞こえてきそうですが、今日と明日はご勘弁ください…。目次は以下のようになります。

1. 新型戦闘機出庫、政府に「非常本部」設置、続く出生率の上昇、ストーカー殺人…韓国リベラル紙の一面を読む
2. 今日の時事韓国語「불가항력」

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1. 新型戦闘機出庫、政府に「非常本部」設置、続く出生率の上昇、ストーカー殺人…韓国リベラル紙の一面を読む

今朝の『京郷新聞』一面には以下の写真のように、5つの記事がありました。それぞれ、重要な内容となっています。順に見ていきます。

26日付け、京郷新聞の一面です。戦闘機の写真が大きく出ています。筆者撮影。

26日付け、京郷新聞の一面です。戦闘機の写真が大きく出ています。筆者撮影。

まずは一番上からです。「汎政府‘非常本部’、青瓦台‘状況室’設置し総力戦」とあります。李在明大統領が「非常対応体制を稼働する」といった翌日、その陣容が公開されました。

まず、政府には「非常経済本部」が、青瓦台(大統領府)には「非常経済状況室」がそれぞれ設置されたそうです。

「非常経済本部」には、①マクロ経済・物価対応(財政経済部)、②エネルギー需給(産業通商部)、③金融の安定(金融委員長)、④民生・福祉(保健福祉部)、⑤海外情況管理(外交部)という五つの班が置かれました。

また、青瓦台の状況室にも、これに対応する五つの実務対応班が組織されます。

そして、政府と青瓦台をまとめるコントロールタワーが、李大統領が主宰する「非常経済点検会議」となります。イラン情勢の行方が分からない中、韓国政府はようやく態勢を整えた形です。記者会見も頻繁に開くとしています。

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二つ目は真ん中の写真です。これは韓国軍の新型戦闘機『KFー21』の出庫式の写真です。

出庫式というのは、兵器の量産第一号機が出庫される際に行われるもののようです。25日、慶尚南道(キョンサムナムド)泗川(サチョン)市にある「韓国航空宇宙産業(KAI)」で『KF-21』の出庫式がありました。

これは、韓国独自で開発した戦闘機です。開発には25年がかかりました。試作機6機による955回の地上試験と、1601回の飛行試験を経て、量産にこぎつけたものです。李大統領によると、25年の間、開発には6万4500人が参加したとのことです。

出庫式の様子。青瓦台提供。

出庫式の様子。青瓦台提供。

李大統領はこの日、「今、皆さんの前に堂々と立つこの戦闘機には、私たちが半世紀以上にわって夢見てきた自主国防の熱い念願が詰まっている」と述べました。ここにも自主国防という単語が出てきましたね。

李大統領はさらに、韓国の防衛産業が「世界最高水準の技術力と生産能力を証明した」と持ち上げ、「防衛産業が持続的に成長できるよう、投資と支援を惜しまない」と述べました。

李大統領は韓国を防衛産業における世界4大強国の一つにすると目的を掲げています。

これは何度もお伝えした通りですが、韓国は「二度と国を奪われてはならない。二度と戦争が起きてはならない」という思い、さらに「強ければ強いほど外交の空間が広まる」という考えの下、日々、軍拡に励んでいるのです。

これは日本と韓国で最も異なる点の一つです。韓国内の左派は当然、反対していますが、その勢力は少数にとどまっています。この日韓の「齟齬」は東北アジアの不安要因の一つだと思います。

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三つ目は右上です。「電子バングルをあざ笑うストーカー」という企画記事です。

今月14日、京畿道(キョンギド)南楊州(ナミャンジュ)市で、44歳の男性が、元交際相手の20代女性を殺害する痛ましい事件がありました。

犯人の男性は被害者の車に位置追跡装置(いわゆるスマートタグ)を設置し、執拗にストーキングしました。警察は接近禁止命令を出し、緊急通報用のスマートウォッチを渡しましたが、効果はありませんでした。

ストーカーに電子足輪をはめ、1キロ以内にストーカーが接近した場合にスマートウォッチから警報がなるシステムもあるのですが、被害者はこの対象外でした。

京郷新聞の記事は、この事件を受け過去2年間のストーキング事件における一審判決56件を分析するものでした。

様々な実例が挙げられていますが、共通するのは「電子足輪」を通じストーカーの行動を抑制しようとしても、ストーカーが犯罪を決意する場合、これを防ぐのは困難であるという現実でした。

また、現場の警察がストーカーの脅威を感じても、身体拘束するかどうかを判断する裁判所には、その脅威がなかなか伝わらない事情も説明されていました。

さらに、ストーカーへの刑罰が重くない点も関係していると専門家が指摘しています。こうした状態を改善するためには、国会に係留中の法案を検討し、裁判所もより積極的な判断を下すべきというものでした。

下記記事は以前書いたものです。ストーカーとは異なりますが、韓国ならではの取り組みを紹介しています。

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一面の下段部分も見て行きます。

左側に「結構に続き出産もグンと…合計出生率‘1人’目前」とあります。四つ目の記事です。

韓国の合計特殊出生率の「回復傾向」が続いているという話です。

1月の出生児を比較する場合、2024年に出生率0.79、出生児数2万1412人と底を打った後、2025年には同0.89、2万4099人、2026年には同0.99、2万6916人と、出生率が「1.0」に肉薄したそうです。記事から喜び(?)が感じられます。

その理由について、第2次ベビーブーム世代(1964年~1974年生)の子ども世代である、第2次エコブーム時代(1991年~1996年生)の結婚が増えている点を挙げています。出生数の増加は今年も続くという見立てでした。

それでも「1.0」です。こういう記事が増えることで「なぜ子どもを産まなくなったのか」という根本的な問題提起が薄れやしないか、心配です。

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最後の五つ目は「イラン『非敵対的な船舶はホルムズ海峡の通過を認める』」です。

刻一刻とイラン情勢が変わる中、やや古い感じのあるニュースです。韓国政府は「韓国籍の船舶の通過を許可してくれるのか、判断を下すには早い」という立場を明かしています。

最新のニュースを確認したところ、今日26日16時の時点で、駐韓イラン大使が会見を開き、「韓国は非敵対国家に入る」と明言しました。「政府・軍と事前の調整があればホルムズ海峡を通過できる」というニュアンスで『聯合ニュース』はこの発言を伝えています。

なお、25日にカタールが液化天然ガスの供給契約に対し「不可抗力宣言」を行い、その対象に韓国も含まれていました。これについて25日、韓国政府は「今年の需給計画からカタールを抜いている。問題ない」という旨を説明していました。

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2. 今日の時事韓国語「불가항력」

「プルガハンリョク」と読みます。漢字では「不可抗力」です。イスラエル・米国によるイラン攻撃以降、とみに目に付くようになった単語です。

先のカタールのように、戦争や天変地異などにより契約を履行できない時に「不可抗力宣言をした」と韓国のニュースは書きますが、本来は「フォース・マジュール(Force Majeure)」というフランス語で表現するものだそうです。

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今日は以上です。

東京でふと視線を上げると、桜が咲いていました。もう春なんですよね。今年は特に実感が湧きません。なぜでしょうか。

それではまた明日よろしくお願いします。

アンニョンヒケセヨ。(徐台教)

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