【デイリー・コリア・フォーカス】26年3月24日号

皆さま、アンニョンハセヨ。
3月24日、火曜日です。配信がやや遅くなってしまいました。
今朝8時44分がトランプ大統領がイランに課した「48時間」の期限でした。このため、23日晩の韓国ニュース番組はこれで持ち切りでした。刻一刻と時限が迫る中、トランプ氏が5日間の延期を決めたことで、攻撃は直前で回避されました。
昨晩、習い事から戻る子どもを迎えに行った帰り、車中でラジオニュースを聞きながら戦争がいかにひどいかについて、話を交わしました。しっかり考えてくれているようでよかったです。今朝、トランプの決定を伝えるとホッとした顔をしていました。
それでは今日の目次です。
1. ウォン、株価下落の中、李在明氏は「自主国防」を強調
2. ‘核’押し出す金正恩氏、改めて韓国を「敵対視」
3. 今日の時事韓国語「광장」
1. ウォン・株価下落の中、李在明氏は「自主国防」を強調
イラン戦争(イラン紛争)が続く中、韓国経済もジェットコースターのように揺れています。
まず、ウォン・ドルレートを見ると、23日のソウル市場では1ドル=1517.3ウォンとなりました。
これは国際金融危機のただ中にあった、2009年3月以来、17年ぶりのウォン安です。
その理由について韓国各紙は、「米国とイランが‘強対強’の対峙を続ける中、原油価格の高騰が続いている状況」(京郷新聞)があるとしています。輸入額が上がり、ドルの需要が増えているためという専門家の指摘もありました。
株価も大きく下げました。
KOSPI(韓国総合株価指数)はこの日、マイナス6.49%の5405ポイントでした。地上波SBSは「戦争拡大の恐怖が、投資審理を凍りつかせている」と表現しています。
韓国には借金をして投資している人がたくさんいます。「投資に気をつけるべき」というSNS上の書き込みを見かける機会が、とみに増えました。

KOSPIの急落を伝えるニュース。韓国メディアが好きな画像です。SBSをキャプチャ。
一方、李在明大統領はこの日、昨年6月の大統領就任以後はじめて開催された「中央統合防衛会議(統合防委)」の中で、国防を強調しました。
この会議は、「民・官・軍・警・消防が集まり、統合防衛態勢を点検し、その発展方案を議論する場」(ハンギョレ)とのことです。年に一度は開催することになっています。会議には金民錫 (キム・ミンソク)総理などが参加しました。
青瓦台(大統領)で行われた同会議で、李大統領は「国防はいかなる者にも任せてはならず、私たち自らが完璧かつ最終的に責任を持つ」と強調しました。
李氏は他にも「自主国防は統合防委の最も重要な核心とし、いかなる状況に遭遇しようとも、誰の助けも借りず、私みずからを守れるようにすべきだ」と力を込めました。
自主国防というのは、2003年に大統領に就任した盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が掲げたものです。米国の助けを借りずに国を守れる、強い国防力を持つことを目的とするものです。
これは国防における韓国主導にとどまらず、「韓国軍だけの戦力で北朝鮮を上回ること」も含みます。
李大統領がこのように力を込めた理由は、韓国社会にうっすらと存在する国防への不安を払拭するためでしょう。
2月末にイラン紛争が始まって以来、駐韓米軍の兵器が相次いで中東に移転され、さらに、戦争の長期化が見通される上に、韓国を敵対国と繰り返す朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の存在がボディブローのように効いています。

「中央統合防衛会議(統合防委)」の結果を伝える青瓦台(大統領府)のカードニュース。安全保障の重要性を伝えながら、それをする実力が韓国にあると強調しています。青瓦台より。
なお23日、韓国の趙顯(チョ・ヒョン)外交部長官は、イランのアラグチ外相と電話で会談しました。
外交部によると、趙長官は「最近の中東の状況が、域内を超えグローバル安保と経済に影響を与えている点について深い憂慮を表明」したとのことです。
さらに、「湾岸国家の民間人および民間施設に対する攻撃の中断と、ホルムズ海峡の航行安全の保障および、グローバルエネルギー供給正常化のため、イランの緊張緩和措置を求めた」と明かしています。
趙長官はさらに、イラン国内の韓国人の安全と、ペルシャ湾に停泊中の韓国の船舶の安全確保を要請したそうです。
米国に対してはダンマリの韓国政府ですが、イランに対しては饒舌ですね。
2. ‘核’押し出す金正恩氏、改めて韓国を「敵対視」
北朝鮮では22日から、最高人民会議(国会に相当、第15期1次会議)が開催されています。
そして金正恩国務委員長は23日、施政演説を行いました。朝鮮中央通信によると演説のタイトルは「社会主義建設の現段階において、共和国政府の前に存在する課業について」というものでした。
演説ではまず、第14期1次会議からの7年を振り返りました。
「自主的発展権利を固守した」ことで、「精神的にも実力的にも、物質的にも、私たちはあまりにも貴重な多くのものを得た」と自画自賛しました。
外部の支援を受けず、「自力更生・自生自活」を行った上で成功を収めた点を特に強調しています。金正恩氏は演説の中で、「自力更生だけが生きる道だ」と強調して止みませんでした。

最高人民会議の様子。朝鮮中央通信より引用。
また、「今日の現実は、敵どもの甘言利説を排撃し、核保有を不可逆なものとして永久化したわが国家の戦略的な選択と決断が、いかに政党であったかを厳然と実証している」と言及しました。
これは、核を持たないベネズエラやイランが、米国にいいようにやられている点を指すものでしょう。核保有にこだわったことは成功だったという認識です。
「これ以上、私たちの国は脅威を受ける国ではなく、必要とあらば脅威を与える力を持っている」とも語り、自信を見せました。
その上で、「核の盾を堅く構築したことで、軍事や安全保障分野だけでなく、経済と文化をはじめとする、全ての分野の発展と人民生活の改善を確固として担保し、推動している」と、核万能論とも言うべき持論を明かしています。
他にも社会や経済、科学技術などについても言及がありました。
しかし今日は分量の問題から割愛し、対外的な部分について整理して終わりといたします。
金正恩氏は現在の国際情勢を「予測不可能性」と診断します。このため予断を排し、熟考すべきと強調しながら「準備」が大切と訴えます。
また、「平和」を守るためには力が必要だとし、このための「国家核武力強化路線」の要求に合わせ、「自衛的核抑止力をより拡大進化させる」と明かしています。
米国に対しては「世界各地で国家テロと侵略行為を行っている」と見なし、これにより「自主勢力の反米感情と憎悪心を激発し、団結と抗拒へと背中を押している」と分析しました。その上で「多極世界の建設はより力強く推動される」としました。
この時の自主勢力というのは、反米・反帝国主義勢力です。北朝鮮の目指す世界観が表れている部分です。なお、対話を望む旨を繰り返し明かすトランプ大統領に関する言及はありませんでした。
一方、韓国に対しては、以下のように、敵対姿勢を改めて示しました。
「特に韓国を最も敵対的な国家と公認し、最も明白な言辞と行動をもって徹底して排斥し無視しながら扱っていき、わが共和国に手を出す韓国の行為に対しては、わずかな考慮やささいな躊躇もなく、無慈悲にその代価を支払わせるようにします」
これは先の朝鮮労働党第9回大会と同様です(当然ですが)。
「最も敵対的な国家として排斥し、無視する」という表現からは、韓国を切り離す決定が揺るぎない事が、ひしひしと伝わってきます。
一方で、金正恩氏は「反共和国挑発策動を打ち壊すための対敵闘争を、攻勢的に繰り広げる」、「わが国家の集権的権利と安全利益、発展権を侵害しようとする勢力たちの策動を決して座視しない」と述べています。
こうした部分を、手を出さなければ何もしない(?)という、従来の姿勢の延長と見ることができるのか。これについては、専門家の分析を聞いてみたいところです。
2月に朝鮮労働党の党大会があり、今回の最高人民会議まで終わることで、韓国内に今後、たくさんの分析が出てくるでしょう。私も明日、シンポジウムを聞きに行きますが、遠からずしっかりまとめます。
それにしても韓国も自主国防、北朝鮮も自力更生と同じようなことを主張している点からは、強大国に囲まれた半島の分断国家の悲哀を感じます。兄弟国ならば良かったのですが。詮無きことです。
3. 今日の時事韓国語「광장」
「クァンジャン」と読みます。漢字では「広場」となります。
広場は広場なのですが、韓国の現代史では、広場に市民が集まり民主主義が作られてきたことから、「クァンジャン」という言葉には政治的な意味合いがあります。例えば「クァンジャンの声」というと、市民の政治的主張、世論といった形です。
また『광장広場』という韓国で知らない人はいない傑作小説があります。
最近では『광장의 역설広場の逆説』という、広場の政治はなぜ社会を変えられないかについて分析する翻訳書も話題です。私はこちらは未読です。

小説『広場』。日本語にも翻訳されています。

こちらは『広場の逆説-大規模示威(デモ)の時代と、失った革命ー』です。読まねばなりません。日本語になっているかは探せませんでした。
今日はここまでです。
実は昨晩見たニュースの中で一番印象的だったのは、ウクライナ軍に米国製の「人型ロボット」2体が配備されたという話でした。銃を扱えるロボットで、現在の所は発砲命令は人が出すということでした。
しかし、ロボットが勝手に打つようになるのは、時間の問題でしょう。空恐ろしいニュースでした。リンクを張っておきます。韓国語ですが、ご興味ある方はご覧になり、雰囲気だけでも感じてみてください。
そして昨日23日のニュースレターで、高市さんが訪米時に踊っていた件を韓国メディアは全然取り上げていないとしましたが、23日晩に地上波2社のニュースでばっちり報じられていました。
ただ、SBSは日本メディアの引用を、MBCは中国メディアを引用するなど、直接に論評しない配慮がやや感じられました。日韓関係が良い中で、面と向かって批判するのは憚られるのかもしれません。

こんな感じです。
他にも書きたいことが山ほどあるのですが、時間が足りません。
繰り返しになりますが、今、陣容を整えるため色々と動いております。上半期までは辛抱です。深みのある記事が出るまで、もう少しお付き合いいただけますと幸いです。
それではまた明日、お届けいたします。
ありがとうございます。
アンニョンヒケセヨ。(徐台教)
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