【デイリー・コリア・フォーカス】26年11月6日号[カルチャー]:「国民の父」チェ・ブラム逝去、Disney+『再婚承認を要求します』が配信開始

皆さま、アンニョンハセヨ。今日は11月6日、金曜日です。今週もカルチャー回はMisaが担当いたします。
今週は新作ドラマの配信が重なり、つい夜ふかしが続いて、少し寝不足ぎみです。ドラマも音楽も話題作が続く、韓国エンタメの秋真っ盛りです。
今日の目次は、以下の通りです。
(1)「国民の父」チェ・ブラム逝去、子どもたちと共に歩いた40年
(2)Disney+大作ドラマ『再婚承認を要求します』、韓ドラの新たなジャンルを切り開くか
(3)日本人メンバーの「ギャル」で始まった快進撃、RESCENEが新曲でも1位に
(4)ソウルの紅葉が見頃に、紅葉狩りは「カラフル軽量ダウン」で
(5)今週のカルチャー韓国語:역주행(ヨクチュヘン)
(1)「国民の父」チェ・ブラム逝去、子どもたちと共に歩いた40年
韓国で「国民の父」と呼ばれた俳優チェ・ブラムが、10月29日に87歳で亡くなりました。18年続いた刑事ドラマ『捜査班長』(수사반장)のパク班長、そして1980年から22年間放送された韓国最長寿のドラマ『田園日記』(전원일기)の村の長老キム会長などで、67年にわたり、舞台や映画、テレビで活躍してきた俳優です。

『捜査班長』のパク班長の若き日を描いた『捜査班長 1958』(2024)で、主人公を演じたイ・ジェフン(左)と、第1話に特別出演したチェ・ブラム(右)(MBC公式ホームページより)
『田園日記』で22年間、その妻を演じたのが、日本でも映画『母なる証明』(마더)で知られる大女優キム・ヘジャ(85)です。
先月半ばには9年ぶりの主演映画の舞台挨拶を当日に取り消すなど健康状態が憂慮される中、弔問初日に駆けつけ、「これが最後だとは思わない。死んだらまた会えるのだから、最後だなんて言わないで」と涙を流しました。
22年間“夫婦”役だったチェ・ブラムを見送るキム・ヘジャ:2026/10/30(JTBCニュース公式チャンネルより)
大俳優の訃報を受け、韓国ではその生き方についての注目も高まっています。
きっかけはやはり『田園日記』でした。故人はキム会長が養子の男の子を家族に迎える物語を演じたことで、保護が必要な子どもたちの現実に目を向けるようになり、児童福祉財団「緑の傘子ども財団」(초록우산)の全国後援会長を40年以上務めていたのです。
政府は最高位の金冠文化勲章を追叙し、2日には同財団の財団葬で最後のお別れが行われました。
韓国では、IUやスジ、シン・ミナらが1億ウォン以上の高額寄付者の会に名を連ねるなど、芸能人の寄付はいまや珍しくありません。ただ、本当に難しいのは額の大きさより、続けることなのだと思います。一度の大きな寄付は話題になりますが、40年以上、現場に通い続けた人はそう多くありません。
「本当の奉仕とは、雨に濡れている人に傘を差し出すことではなく、一緒に雨に濡れること」。生前、そう語っていたチェ・ブラム。
画面の中で演じた「良い大人」を、カメラの外でも生き続けた人でした。人気は作品が連れてきてくれますが、品格はその後の生き方でしか示せない。韓国の芸能界に、そんな手本を残していきました。
(2)Disney+大作ドラマ『再婚承認を要求します』、韓ドラの新たなジャンルを切り開くか
韓国のウェブ小説やウェブトゥーンには、「ロマンスファンタジー」、略して「ロパン(로판)」と呼ばれる定番の人気ジャンルがあります。
中世ヨーロッパ風の王宮や貴族社会を舞台に、皇后や令嬢が愛と権力の渦の中で運命を切り開いていく物語で、日本でもLINEマンガなどでおなじみです。ただ、西洋風の世界を韓国の俳優で実写にするのは難しく、これまでドラマ化されることはほとんどありませんでした。
その壁に挑んだのが、11月3日にDisney+で配信が始まった『再婚承認を要求します』(재혼 황후)です。
皇帝である夫から離婚を突きつけられた皇后ナビエ(シン・ミナ)が、それを受け入れる代わりに、隣国の王子ハインリ(イ・ジョンソク)との再婚の承認を要求する物語。
原作は日本でもLINEマンガの2023年間ランキングで2位になった人気作です。ドイツの宮殿やチェコの庭園などでロケを行った大作で、韓国のDisney+では配信の翌日に1位。日本でも同時配信中で、毎週水曜に2話ずつ、全10話です。
ドラマ『再婚承認を要求します』日本予告編。11月3日からDisney+で配信中(ディズニープラス公式チャンネルより)
私も配信日に4話まで一気に観ました。ファンタジーは苦手なほうですが、映像と俳優の美しさに引き込まれ、意外なほどすんなり世界観に入れました。宮殿もドレスも、配信オリジナルの制作費があってこそできる豪華さで、見ているだけでワクワクします。
一方の韓国では、見慣れた韓国の俳優が西洋の名前と衣装で韓国語を話す姿に、違和感を覚えるという声が多く上がっています。ただ、指摘は見た目や設定に集中していて、中身への不満はまだ少なめ。
ここから、みんな大好きなマクチャン(ドロドロの愛憎劇)展開で引き込んでくれれば、ロパンが韓国ドラマの新しいジャンルとして定着するかもしれません。
(3)日本人メンバーの「ギャル」で始まった快進撃、RESCENEが新曲でも1位に
今年の前半、韓国の若い世代に「いま何が流行ってる?」と聞くと、必ず返ってきたのが、ピースサインを前に大きく突き出す「ヤッホー」のポーズ、そしてRESCENE(リセンヌ)という名前でした。
あれから半年。ブームは一過性では終わらず、いまこの5人組ガールズグループは、新曲で韓国の音楽チャートの頂点に立っています。
3日夕方に発売した4枚目のミニアルバム『PULSE』のタイトル曲「With」が、わずか2時間で音楽配信サービスMelonのTOP100で1位に。長く首位を守っていた新人ガールズグループA2O LITEの「NEON」を2位に押し下げ、発売直後には収録曲5曲がすべてトップ10に並びました。
ブレイクのきっかけはYouTubeでした。リーダーのウォニの個人チャンネルで、日本人メンバーのミナミが「ギャル」に扮した動画が大きな話題に。
慶尚南道の島の街・巨済(コジェ)出身のウォニが「そんな格好で巨済に行ったら怒られるよ」と言うと、ミナミが「巨済、ヤッホー!」と返した場面がミームとなり、韓国でギャルブームが再燃しました。
その勢いで、2年前の曲「LOVE ATTACK」がチャートを逆走し、今年7月にMelonで1位に。中小事務所のアイドルとしては異例の飛躍です。
2年越しの逆走でMelon1位に輝いた、RESCENE「LOVE ATTACK」公式MV(RESCENE公式YouTubeチャンネルより)
ただ、話題だけで終わらなかったのは、楽曲そのものの評価が高かったからです。
「LOVE ATTACK」は発売当時、辛口で知られる音楽評論サイトIZMで、韓国の作品では20作に満たない4.5点(5点満点)を獲得していました。ネットでも「ミームで知ったけど、なぜこんなに曲がいいの」という声が相次いでいます。
調査会社ワイズアプリ・リテールによると、韓国人のYouTubeの利用時間は月1136億分(今年1〜5月の平均)と、Netflixの約20倍。
1本の動画が、2年前の曲をチャートの頂点まで押し上げる。いまの韓国では、YouTubeがテレビや大手事務所の宣伝力に並ぶ「ヒットの入口」になっています。
(4)ソウルの紅葉が見頃に、紅葉狩りは「カラフル軽量ダウン」で
ソウルの紅葉がいよいよ見頃です。気象庁がソウル市内の観測所で基準にしているカエデの木は、10月27日に色づき始めました。
見頃は例年11月8日ごろで、市内の紅葉は今週から来週にかけてピークを迎えます。ただ今年は、夏の猛暑と9月の少雨で、赤くなる前に茶色く乾いてしまった葉も多く、例年ほど鮮やかな色は期待しにくいそうです。
紅葉を見るには、山に登らなくても大丈夫。ソウル市は先月末、市内の「紅葉の道110選」を発表しました。また15日までは、昌徳宮(チャンドックン)など4つの古宮と宗廟が無料で開放されています。

紅葉の名所として知られる昌徳宮の後苑(秘苑)。後苑は無料開放の対象外で、別料金(5,000ウォン)の予約制です。秋は予約がすぐ埋まるので、お早めに。(24.11.24筆者撮影)
紅葉狩りの服装で今年目立つのが、軽量ダウンです。かつては中高年の「おじさん服」と呼ばれていましたが、いまは20〜30代にも人気で、黄色や水色、オレンジなど色も豊富。秋は1枚で、冬はコートの下に重ねて着られる使い勝手のよさが受けています。

韓国の若い世代に人気のファッションブランド、ムシンサ・スタンダードの軽量ダウン。写真は定番色ですが、黄色やオレンジなどの差し色もそろいます。価格は13万〜20万ウォン台(同ブランド公式オンラインストアより)
明日7日の朝は、ソウルでこの秋初めての氷点下になる見込みです。これからソウルに来られる方は、軽いダウンを1枚かばんに入れて、街なかで紅葉の道を探してみてください。
(5)今週のカルチャー韓国語:역주행(ヨクチュヘン)
直訳は「逆走」。車が道路を逆向きに走ることですが、K-POPでは、発売からしばらくたった曲があとから人気に火がつき、チャートを駆け上がる現象を指します。
3本目のRESCENE「LOVE ATTACK」がまさにその代表例で、一部の韓国メディアは今回の新曲の1位を、発売直後から首位に立つ「정주행(正走、チョンジュヘン)」と呼んで対比させました。
ちなみに정주행は、ドラマを1話から順に一気見するという意味でもよく使われます。まさに今週の私がそうで、「재혼 황후 4화까지 정주행했어(『再婚承認を要求します』、4話まで一気見しちゃった)」のように使います。
今日は以上です。前回ご紹介した日本版リメイク『南田南弁護士は天才肌』は、Netflixの週間グローバルTOP10(非英語シリーズ、10月19〜25日)で5位に。日本の地上波ドラマとして初めてのTOP5入りです。
また、10月16日号でご紹介した、日本統治下の京城を舞台にした諜報ロマンス『100日の嘘』(100일의 거짓말)は、その後も自己最高を更新し続け、8話で9.8%、話題性ランキングでも2週連続の1位に立ちました。
歴史を知る入口としても、ロマンスドラマとしてもおすすめで、私のYouTubeの解説動画にも韓国語のコメントがたくさん寄せられています(日本でもNetflixで配信中)。
韓国ドラマや韓国の今については、X(@misam34)でも日々つぶやいています。
それでは皆さま、また来週の金曜日に。アンニョンヒケセヨ。(Misa)
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