【デイリー・コリア・フォーカス】26年7月17日号

皆さま、アンニョンハセヨ。
今日は7月17日、金曜日です。韓国は制憲節でお休みです。
日本は来週月曜日がお休みと聞きました。海の日ですね。「韓国と日本のお休みを両方休んだら4連休だ」というヨコシマな考えが脳裏をよぎりましたが、実際は4日間ぜんぶ仕事です。
今日の内容は以下の通りです。それぞれ短めに整理します。
1. 制憲節迎え「12月3日を国民主権の日」に
2. 韓国でも「14歳以下はSNS加入制限」を検討
3. 陸海空、各士官学校を「国軍士官学校」に統合
4. 今日の時事韓国語「금리」
1. 制憲節迎え「12月3日を国民主権の日」に
「制憲節」というのは、1948年7月17日に、大韓民国の憲法が制定されたことを記念する日です。1949年から国が定める公休日となっていましたが、週5日制の導入に伴い、2008年に公休日から除外されていました。
なお、制憲節は、韓国政府が定める五つの「国慶日」のうち一つです。
他には1919年の独立運動を記念する「3·1節」、1945年8月15日の大日本帝国からの解放を記念する「光復節」、建国神話に基づく10月3日の「開天節」、世宗大王が訓民正音を頒布した10月9日の「ハングルの日」があります。
今年、制憲節は18年ぶりに公休日として復活しました。背景には、2024年12月3日の、尹錫悦大統領(当時)による「非常戒厳の宣布」がありました。
45年ぶりの非常戒厳という民主主義の危機を、憲法に則って整然と押しのけたことが、憲法を見直す動きにつながりました。
市民・国会議員(議員補佐陣)・記者・一部の軍などの踏ん張りにより6時間で解除が実現した非常戒厳当日だけでなく、翌25年4月4日の尹錫悦大統領の罷免もまた、憲法裁判所が行うなど、権力を縛り、国家の枠組みとなる憲法の存在が光りました。

青瓦台で開かれた会の様子。背景には「光の委員会 出帆記念 市民招請行事 光の連帯、希望をつなぎ未来を開く」と書かれています。青瓦台提供。
そして今日17日、青瓦台(大統領府)では制憲節を祝う会が行われました。李在明大統領はじめ、非常戒厳に抵抗した市民や市民団体から100人が参加する会でした。
「光の委員会 出帆記念 市民招請行事 光の連帯、希望をつなぎ未来を開く」と名付けられたこの日の行事で、李大統領はこう述べています。
「偉大なる国民の皆さんは、分裂よりも連帯を、暴力よりも平和を、沈黙ではない行動を選択し、世界の市民たちの希望となり、今や大韓民国は全世界の注目を受ける民主主義の模範となった」
ちなみにこの「光」というのは、尹錫悦の非常戒厳に立ち向かう市民たちが手に持っていたペンライト(アイドル応援棒)に由来しています。
非常戒厳を押しのけ、尹錫悦の弾劾そして大統領選までを無事に行った、2024年12月3日から2025年6月3日までの6か月を「光の革命」と呼ぶゆえんです。
もっとも私は、「いったい何が革命なのか」と考えているので、この呼称には懐疑的ですが。
そもそも、2016年から17年にかけての朴槿惠大統領弾劾について、その後大統領となった文在寅大統領は「ろうそく革命」と呼び、その果実を独占しようとしました。結果は失敗でしたが、今回はそうならないよう願いたいものです。

同会の様子。青瓦台に私が入って撮影すれば別の構図になるのでしょうが、青瓦台提供の写真はまるっきり「政府広報」なので、大統領の写真しかありません。青瓦台のクラブ記者になるのは、今回のクラウドファンディングにおける大きな目的のひとつです。
なお、「光の委員会」というのは、今年3月に発足した大統領直属の委員会です。
その目的は「尹錫悦政府による非常戒厳に立ち向かった市民達の精神を継承するために、多様な事業を推進する」(聯合ニュース)とのことです。
李大統領はこの席で12月3日を「国民主権の日」とすることを発表しました。さらに、「Kー民主主義が世界の民主主義の模範として広く拡散するよう、デジタルアーカイブの構築を積極的に推進する」と明かしています。
「K−民主主義」というのは「K-POP」と同じで、韓国式の凝集力・瞬発力のある民主主義を指す造語です。
1948年の憲法は、1919年の大韓民国臨時政府の「大韓民国臨時憲章」を受け継いでいます。
臨時憲章の第1条は「大韓民国は民主共和制とする」、第2条「大韓民国は臨時政府が臨時議政院の決議により統治する」、第3条「大韓民国の人民は、男女貴賤および貧富の階級がなく一切が平等である」と、朝鮮王朝ならびに大韓帝国との決別を明らかにし、今につながる韓国民主主義の土台となりました。
この長い蓄積は、様々な論文や書籍で論じられていまして、私もいくつか目を通したことがあります。またどこかで整理してみたいものです。
2. 韓国でも「14歳以下はSNS加入制限」を検討
世界中で問題視されている、青少年のSNS利用。中毒性はいわずもがな、自尊心を損なうなどの副作用も続々と報告されています。
オーストラリアやEU(欧州連合)では実際に規制に乗り出していますが、韓国でもついに、その動きが出てきました。
16日、政府機関「放送メディア通信委員会」のキム・ジョンチョル委員長は、大統領に対する業務報告の場で、現在国会にSNSを規制する法案が七つ発議されていると明かしました。
その上で「14歳未満はサービス加入を制限し、14歳以上19歳以下の青少年には過度の没入を誘導する中毒性のあるデザインと、(動画・投稿)推薦アルゴリズムへの露出を制限する方案を段階的に検討している」と述べました。
私も基本的に規制が必要と考えていますが、導入はなかなか難しいでしょう。
半分冗談ですが、そもそも大人はどうするんでしょうか。地下鉄に乗ったら乗客たちの半分は、ショート動画・リール動画を無表情のまま見ていますよ。
3. 陸海空の各士官学校を「国軍士官学校」に統合、政府・与党が提案
韓国には現在、陸軍士官学校(ソウル)、空軍士官学校(忠清北道・清州)、海軍士官学校(慶尚南道・昌原)がそれぞれ置かれ、士官教育を行っています。
この三つを新たな「国軍士官学校(4年制)」として統合すると政府が発表し、話題です。
安圭伯(アン・ギュベク)国防長官が16日に発表した「国軍士官学校創設基本計画」によると、統合の背景には、「陸海空という従来の軍種を超え、宇宙・サイバー・電磁気スペクトラムにまで戦場の領域が拡大し、AI(人工知能)・ドローンなど現代戦の様相が急激に変わっている状況」があるとします。
これに対応するため、「科学技術と人文教養で武装し、全領域を統合できる人材、戦時作戦統制権の回復後に、韓米連合作戦を主導できる精鋭将校。さらに、各軍と国防の領域を越え、‘大韓民国の社会を導く国家人材’養成のためのパラダイムの転換が必要である」と説明しています。
日刊紙・京郷新聞によると、新たな学校では一年・二年生は「AI・統合教育」を、三年・四年生は「軍種別の専門教育」を受けることになるそうです。

「国軍士官学校」創設を伝えるバナー。「未来の先端科学技術強軍の国防リーダーを養成する」とある。韓国国防部より引用。
なお、「国防のリーダーを育成する」というこの計画は与党・共に民主党と国防部が合意しています。与党は議席の過半数を保持していることから、このまま立法される場合には成立が確実です。
計画によると、「国軍士官学校」は大田(テジョン)市にある紫雲臺(チャウンデ)という軍施設に置かれる予定です。
やはり京郷新聞によると、72万坪におよぶ同地には現在も合同軍事大学校や国軍看護士官学校など、20余りの軍事・教育・支援機関が集まっているそうです。
この日、国防部は日程など細部の計画を明かしていません。これらは10月に発表予定とのことです。
韓国の士官教育制度を根底から覆す計画に対し、各士官学校の卒業生は強く反発しています。
京郷新聞によると16日、陸海空士官学校の総同窓会は「各軍の士官学校のアイデンティティはもちろん、歴史と伝統を経ち切ろうとする画策」であり、「あらゆる手段と方法を動員し、国民と共に総決起する」という声明文を出しています。
韓国メディアでは「各士官学校に人材が集まらない」という問題点を伝えており、改革には説得力があるように思えますが、反対する声もただ事ではありません。野党もここぞとばかりに反対するでしょうし、混乱は続きそうです。
4. 今日の時事韓国語「금리」
「クムリ」と読みます。漢字では「金利」です。
16日、韓国銀行は基準金利(政策金利)を従来より0.25%高い、年2.75%に引き上げると発表しました。
韓国の基準金利は2023年1月の年3.5%から、下げまたは維持が続いていましたが、3年6か月ぶりの上昇となりました。背景には前年比3%を超える物価高や、景気回復基調があるとされます。
今日はここまでです。
中間選挙を控えたトランプ大統領が「不正選挙」を煽り、不穏な空気が漂っています。こうした言説が朝鮮半島情勢に与える影響などもしっかり追わなければなりません。「コリア・フォーカス」をどう改編するのか、できるのか。頭を悩ます毎日です。
それではまた月曜日にお届けします。皆さま、よい週末をお過ごしください。クラウドファンディングの拡散も何とぞよろしくお願いいたします。
アンニョンヒケセヨ。(徐台教)
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