【デイリー・コリア・フォーカス】26年8月31日号:朝鮮半島の平和に不安を感じる韓国の若者たち
皆さま、アンニョンハセヨ。今日は東京からニュースレターをお送りします。
出張に来ると、どうしても色々なアポを詰め込んでしまいます。ということで今日はすぐに本論に入ります。
(1)朝鮮半島の平和に不安を感じる韓国の若者たち
南北関係は現在、南北を結ぶホットラインが全て断絶し、公的な接触が4年以上にわたって存在しない、過去最長の断絶期を迎えています。
そればかりかその間、朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)は統一という目標を党規約や憲法から削除し、韓国との関係を「(敵対的な)二国家関係」と設定しなおす作業を終えました。
一方で、金正恩委員長は核武力をはじめとする軍事力の増大を指示しています。派兵や武器弾薬の提供といったロシアへの軍事協力の対価として、軍事技術を得ている可能性も取りざたされています。
こうした朝鮮の動きを、韓国市民は不安な目で見ているようです。
韓国の世論調査会社4社が合同で行う「全国指標調査(NBS)8月4週目」に興味深い調査がありました。
国防分野に関する設問の中に、「韓半島が平和で安全になっている」かどうかを問うものがあったのです。
これに対し、47%が肯定評価を、49%が否定評価を、4%が分からない/無回答と回答しました。
注目すべきは、否定評価の増加でした。

「韓半島は平和で安全になっている」という命題について聞いた世論調査。赤線が肯定評価(平和で安全に向かっている)、灰色が否定評価(平和で安全に向かっていない)、点線が分からない/無回答。調査は6か月ごとに行われている。下段は左から順に、23年8月5週、24年2月4週、24年8月4週、25年8月3週、26年2月4週、26年8月4週。24年8月4週までが尹錫悦政府。尹政府の時代には、多くの人が危機感を覚えてきたことも分かる。 調査期間は8月24日から26日まで。全国18歳以上の男女1001人を対象にした電話面接調査で、誤差範囲は95%の信頼水準でプラスマイナス2.2%です。(同様の調査を100回繰り返す場合、95回は実際の支持率を含んでいるということ。その際の数値は、抽出された数値のプラスマイナス2.2%の間であるということ)。同調査より引用。
上記の表にあるように、李在明政府になって以降の25年8月3週には、肯定評価(平和で安全に向かっている)が尹錫悦政府の時に比べ54%と大きく上昇しました。
しかし、そこから一年経った26年8月4週に同評価は47%まで下降しました。一方で否定評価(平和で安全に向かっていない)は39%から49%となり、肯定評価を逆転しています。
否定評価は、若者層と年配層で高い結果となっています。
18〜29歳では「肯定」36%「否定」59%、30〜39歳では「肯定」44%「否定」54%です。そして60〜69歳は「肯定」42%「否定」53%、70歳以上では「肯定」36%「否定」56%という結果でした。
反面、40〜49歳は「肯定」61%「否定」36%、50〜59歳は「肯定」57%「否定」40%と、他の年代とは明らかにことなる結果となっています。この世代は進歩派支持者が多いのが特徴です。進歩派政権下で朝鮮半島の緊張は管理されるものと考えていると見られます。
ロシアのウクライナ侵攻や、米国・イスラエルによるイラン攻撃が止まらない中、韓国市民が抱える不安が表れた世論調査といえます。
似たような調査は、「韓国ギャラップ」でもありました。
「あなたは北韓が実際に戦争を起こす危険性がどれだけあると見ますか」という問いです。
これについて、とてもある17%、ある程度ある22%、別にない35%、全くない20%、意見留保6%という回答が得られました。
つまり「ある」39%。「ない」55%となります。この数値は、9年前の2017年9月と似ています。当時は、トランプ第一期の時期です。金正恩氏との間で舌戦を繰り広げ、米朝の緊張が高まっていました。米軍には実際に攻撃計画もあったとされます。

「北韓が実際に戦争を起こす危険性」に対する認識の推移。実線が「ある(‘とてもある’と‘ある程度ある’の合計)」、点線が「ない(‘別にない’と‘全くない’の合計)」。1992年6月には69%という高水準でした。この後、第一次核危機が起き、実際に米朝は戦争直前までいきました。2002年11月には33%で最低となっています。当時は金大中政府の末期ですが、南北交流が盛んになっていく過程にありました。 調査期間は8月25日から27日まで。全国の18歳以上の男女1001人への調査員による電話インタビューの結果です。誤差範囲は95%の信頼水準でプラスマイナス3.1%。韓国ギャラップより引用。
そうとはいえ、上記の表にあるように、現在の韓国市民が過去に比べ強く戦争の危機を感じているということではありません。
しかし特筆すべきは、若者世代の回答です。18歳〜29歳は「ある」54%「ない」43%、30〜39歳は「ある」53%「ない」42%と、他の世代と20%から25%の差がついています。
前述した全国指標調査のものと合わせると、若者世代が南北関係を脅威と捉えているのは明らかです。
しかし、この背景に何があるのかを判断する際には、慎重な姿勢が要求されます。例えば、ネットに多い保守的なコンテンツの影響があるかもしれませんし、徴兵の影響も考えられます。また、南北関係が良かった時代を知らない世代という特徴もあるでしょう。
いずれにせよ、韓国の政治勢力は今後、こうした若者世代の朝鮮半島情勢への不安に対応しなければなりません。
進歩派は平和をしっかり作ることをアピールする他にありませんが、保守派は危機を煽るでしょう。後者の方が簡単であるのが南北分断の悲しいところです。
このように、世論調査を詳しく見ることが分かることがあります。
今日はこれからミーティングが続くため、以上となります。
今日の午後にソウル地裁で統一教会の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁に懲役2年の実刑判決が出ました。政治資金法違反で懲役1年、請託禁止法違反および業務上の横領で懲役1年です。なお、検察は合計で懲役13年を求刑していました。
明日は関東大震災103年ですね。私も午前11時から横網町公園で行われる追悼式に参加します。もし読者の方で参加される方は、現場でお声掛けください。
それではまた明日お届けします。ありがとうございます。アンニョンヒケセヨ。
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