【デイリー・コリア・フォーカス】26年5月27日号

皆さま、アンニョンハセヨ。
5月27日、水曜日です。首都圏は今日も雨が降ったり止んだりといった天気でした。金浦の自宅から「デイリー・コリア・フォーカス」をお送りいたします。
昨日に続き、配信が随分と遅くなりました。明日からの地方取材の準備などいくつか大事な仕事が重なったせいで、なかなか大変です。
それでも今日は、興味深い出来事がありました。
ソウルでとある朝鮮半島問題の専門家と昼食を共にした際、この人物が「金正恩との付き合い方を変える必要を感じる」と述べたのです。
朝鮮民主主義人民共和国の民主化を求め、長いあいだ仕事を続けてきた人物だけあって、ムムとうなりました。
詳しい意味を聞くと、「金正恩体制を倒すよりも、金正恩が良い方向に政治を行うようにしていく方が、より現実に沿った対応だと思う」と言うのです。
この人物が見るに、金正恩氏は「賭け」に勝利したとのこと。周囲の反対を押し切りロシア・ウクライナ戦線に朝鮮人民軍を派遣し、ロシアから一定の対価を得ると共に、外向的な立地を確立することに成功したという意味です。
自家用車や新たな建物が増えるといった「経済的な変化」に加え、当局が外部からの情報を完全にシャットアウトすることで、北朝鮮国内における金正恩への好感度は上がらざるを得ないだろうと、苦い顔で語っていたのが印象的でした。
外部の漏れ伝わる北朝鮮情報には限りがある中、様々な解釈があるでしょう。それでもこうした認識を持つような人物ではないと思っていたので、少し驚きました。
1. 韓国・統一地方選特集(下)大邱市長選と釜山の国会議員選、「保守の行く末」を占う二つの選挙
それでは本論に入ります。
やはり選挙です。今日は二つの表と共に、6月3日の選挙を見ていきましょう。
まずは、広域自治体首長選です。16の地域であらそわれますが、26日、共に民主党側が「6つの地域が接戦である」という見解を明かしています。
これに合わせ表を更新しておきました。小さくて見づらいのですが(拡大も可能です)、接戦地は、ソウル、大邱、慶尚南道、蔚山、釜山、全北特別自治道の6か所となります。

広域自治体首長選の一覧です。
この中ではやはり、大邱市長選が最大の見どころとなります。
今回の統一地方選は、保守の行く末を占う選挙です。
尹錫悦前大統領の非常戒厳を総括できないまま分裂した保守陣営を、有権者がどう評価するのかという点は、保守のみならず、韓国政治の未来とも直結しています。
大邱市長選は「古い保守の行く末」という点から重要です。
「保守の心臓」と呼ばれ、保守が圧倒的に強い地域に、共に民主党の金富謙(キム・ブギョム)という大邱との縁が深い大物政治家が挑んでいます。
ある評論家はラジオで、「金富謙で勝てないならば、未来永劫、大邱は保守のままだ」と述べていました。相手の秋慶鎬(チュ・ギョンホ)も大物政治家ですが、こちらは尹錫悦氏による非常戒厳の際、積極的にこれを止めなかったと見られている人物です。
つまり、大邱市長選の結果は、保守が「古い保守」と決別できるのかの試金石となるのです。現在は大接戦となっています。

金富謙氏。同氏キャンプ提供。
次は、同じ日に全国14の選挙区で行われる、再・補欠選挙です。一覧は下記の表の通りです。こちらも拡大してご覧ください。字の大きさは16ptなのですが、ニュースレターに入れると、どうしても小さくなってしまいます。

再・補欠選挙一覧。
ここでは釜山広域市・北区甲の選挙区が注目です。
「保守の行く末」という選挙テーマにおいて、先の大邱市長選が「古い保守」の終焉を占う選挙区であるならば、釜山北区甲は「新たな保守」が台頭するかどうかを占う選挙区となります。
中心には、韓東勲(ハン・ドンフン、53)がいます。
これまでニュースレターに何度も登場しましたが、検察時代は尹錫悦氏の有能な部下の一人として鳴らし、尹政権発足後には法務部長官に抜擢され「政権の顔」として大いに知名度を高めました。
尹氏夫妻からの厚い信頼を元に、与党・国民の力(当時)の代表にまで上り詰めましたが、その後、党運営の方向性をめぐり尹氏夫妻と正面衝突します。24年12月の非常戒厳の際には、与党代表として、非常戒厳解除を一直線に進め、その政治的評価を高めました。
一方で、権力欲からか、戒厳後には憲政にそぐわない選択を行い、世論の批判を浴びると同時に、尹錫悦氏を支持する与党主流派からは「裏切り者」とバッシングを受け、追われるように党代表の座から退きました。
その後、無所属の政治家として支持を集め、今回、満を持して国会議員選挙に挑む形です。

韓東勲氏。昨年12月、筆者撮影。
現役政治家としては、李在明大統領に次ぐ規模のファンダム(ファン集団)を抱え、無所属の同氏をたくさんのボランティアが支えています。
韓東勲氏は、李大統領と大差がない、中道よりの政治家です。
現在の世論調査では、李大統領の下で韓国のAI(人工知能)政策を推進してきた共に民主党の河丁友(ハ・ジョンウ、48)がやや優勢ですが、政治家一年生の河氏は頼りなく、韓氏の勝ち目はまだ残されています。
国民の力からは尹錫悦に近いとされる朴敏植(パク・ミンシク)候補がいるため、三つ巴となっています。保守の一本化の目は消えていますが、不利な選挙戦を勝ち抜き、保守再生の旗手となれるか。今選挙、最大の見どころの一つです。
健全な政治には、健全な保守が欠かせません。
明日から私も、現地で取材してきます。
2. 今日の時事韓国語「시가총액」
「シカチョンエッ」と読みます。漢字では「時価総額」です。
昨今の世界的な半導体需要により、サムスン電子とSKハイニックスという韓国の半導体を扱う企業の株価が連日最高値を更新しています。
それに伴い時価総額も増えているのですが、両社ともに27日時点で1兆ドルを超え、サムスン電子は世界11位、SKハイニックスは世界12位となったそうです。
それにしても、株価狂騒曲とも言うべき状況が、年初からずっと続いています。揺り戻しがなければよいのですが。
今日はここまでです。
明日は大邱もしくは釜山からお送りすることとなります。美味しそうな食べ物の写真をお楽しみに。それではアンニョンヒケセヨ。(徐台教)
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