【デイリー・コリア・フォーカス】26年7月9日号

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徐台教 2026.07.09
誰でも

皆さま、アンニョンハセヨ。

今日は7月9日、木曜日です。金浦では朝から午後まで雨でした。梅雨の中、韓国は全国的にかなりの豪雨に見舞われているようです。行方不明者も出てしまいました。

ソウルをはじめ、各地の自治体は河川に接近しないよう呼びかけていると、ラジオニュースが伝えています。

こういう時に気になるのは、北側の天気。

今日は梅雨の影響は限定的なようですが、朝鮮労働党機関誌・労働新聞によると、6日から8日まで梅雨の影響で全国的に雨が降っていたそうです。東北部の羅先市では135ミリ、西北部の平安北道でも115ミリと結構な降水量です。

小康状態の今日を挟んで、明日からはまた、南部を中心に豪雨とのこと。被害がないように願うばかりです。

韓国の気象庁が発表している朝鮮の天気。各地の気温と天気は、7月9日午後3時時点のものです。平壌は29.4度、朝中国境の茂山(ムサン)郡は21.1度です。最も熱いのは東部の咸興(ハムン)で32.1度でした。気象庁HPをキャプチャ。

韓国の気象庁が発表している朝鮮の天気。各地の気温と天気は、7月9日午後3時時点のものです。平壌は29.4度、朝中国境の茂山(ムサン)郡は21.1度です。最も熱いのは東部の咸興(ハムン)で32.1度でした。気象庁HPをキャプチャ。

こちらは9日付の労働新聞の天気予報。各地の降水量を詳細に報じています。「農業部門において、梅雨の被害を防ぎ、対策を徹底して立てよう」と呼びかけています。労働新聞をキャプチャ。

こちらは9日付の労働新聞の天気予報。各地の降水量を詳細に報じています。「農業部門において、梅雨の被害を防ぎ、対策を徹底して立てよう」と呼びかけています。労働新聞をキャプチャ。

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昨日のニュースレターをご覧になった多くの方が、母の病状を心配してくださいました。

今日も病院に足を運び、担当医などに事情をうかがったところ、特に問題はないようです。まだ入院は数日続くとのことですが、私も落ち着きを取り戻しつつあります。改めてお礼申し上げます。心が温まりました。

今日のニュースレターの目次は以下にようになります。短めにお送りします。

1. 「1億ドルを支援、捕虜送還は本人の意志を尊重」李大統領がゼレンスキー大統領と会談
2. 南北関係を考える2本の韓国識者コラム(上)「朝鮮民主主義人民共和国と呼ぶべき」
3. 今日の時事韓国語「기결수」

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1. 「1億ドルを支援、捕虜送還は本人の意志を尊重」李大統領がウクライナのゼレンスキー大統領と会談

NATO首脳会談に参加するため、トルコ・アンカラを訪れている韓国の李在明大統領。8日(現地時間)、ウクライナのゼレンスキー大統領と首脳会談を行いました。二人はこれまで、多者外交の場で会話を交わしたことはあったものの、正式な首脳会談は初めてとのこと。

青瓦台(大統領府)の発表と韓国メディアによると、今回の会談を通じ、韓国政府はウクライナに対し1億ドル相当の「包括的支援計画」を明かしたそうです。

中身は主に人道的支援のようです。なお、韓国政府は一貫してウクライナに殺傷兵器の支援は行っていないし、そうする予定はないとしています。そうとはいえ、米国へ砲弾を貸与するなどの迂回支援はしていますが。

また、ゼレンスキー大統領は「戦争の早期の終息およびウクライナの平和と回復のために、これからも韓国を含んだ国際社会と、緊密に協力していくことを希望する」と応じてます。

8日、トルコで首脳会談を行ったウクライナのゼレンスキー大統領と、韓国の李在明大統領。韓国青瓦台提供。

8日、トルコで首脳会談を行ったウクライナのゼレンスキー大統領と、韓国の李在明大統領。韓国青瓦台提供。

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会談ではさらに、ロシア側として参戦し、ウクライナで捕虜となった2人の朝鮮人民軍兵士の処遇についても言及があったそうです。

これについて青瓦台の報道官は、「両首脳はウクライナないの北韓軍捕虜の問題は、当時者たちの自由な意思を尊重し、国際法と人道主義の原則に符合する方式で解決していくことで意見を共にした」と言及しています。

聯合ニュースによると、韓国政府は「受け入れ基調」のようですが、ウクライナ政府が他の国籍の捕虜をどうするのか状況が複雑であるため、結論を下せていないそうです。

いかにもウクライナ側に理由があるようですが、本当でしょうか。長引かせ過ぎです。

一昨日のニュースレターで触れたように、李在明大統領は今回、NATO首脳会談に参席する過程で一貫して「防衛産業セールス」に勤しみました。そして、「NATOの防衛装備調達システムに韓国が参加する」という新たな動きが出来上がりつつあります。

一方で朝鮮半島問題を解決する際には、ロシアとの協力は欠かせないという基調もあり、これが韓国を「動きづらく」しています。しかし李大統領の一連の動きは、これを振り切り、「商売のために陣営外交を行うのか」という判断の境目にあるとも受け取れます。

前回も触れましたが、これは大事な話なので別途、記事にします。必ずします。

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2. 「北韓」ではなく「朝鮮」と呼ぶことを主張する2本のコラム(上)

私は今年6月25日の朝鮮戦争勃発日に合わせ、日本社会も朝鮮民主主義人民共和国に対し、「北朝鮮」ではなく「朝鮮」と呼びかけてはどうかと提案する記事を書きました。

バズったと言うにはほど遠いものの、思ったよりも多くの方に読まれました。まだ未読の方はぜひお読みください。

その後最近になって、韓国の二人の著名な朝鮮半島問題の専門家が、相次いで「呼称」に関するコラムを発表しました。いずれも興味深い内容でしたので、引用・整理してみます。

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まずは金聖敬(キム・ソンギョン)西江大学教授のものです。金教授は社会学者として、南北分断がもたらす様々な影響を、非常に丁寧に追っている人物です。

コラムのタイトルはズバリ、「朝鮮民主主義人民共和国の名前を呼ぶ」というもの。

まずは10年以上も前の、海外のいわゆる「北レス(朝鮮政府が経営するレストラン)」を訪問した時の回想から始まります。金教授が店員に「北韓」という呼称を連発していたところ、耐えかねた店員は「北朝鮮です」と修正したというのです。

恥ずかしかったと当時を振り返りながら、「今となってみれば‘朝鮮’ではなく、自らを‘北朝鮮’としたあの時が、それでも良かった時期だったようで複雑な思いだ」としています。

京郷新聞に掲載されたコラム。写真は金聖敬教授です。クリックで本文(韓国語)に飛べます。

京郷新聞に掲載されたコラム。写真は金聖敬教授です。クリックで本文(韓国語)に飛べます。

しかし、2023年末から朝鮮が南北関係の終焉を告げたことで、統一という目標の下、「北朝鮮」と「南朝鮮」と呼ぶこともなくなりました。

「韓国が朝鮮に向けた敵対を止めず、前では相互尊重する統一を押し出したものの、吸収統一からは一歩も先に進めなかったと診断した」と、朝鮮側の主張の背景を分析しています。

それから2年。金教授の視点は韓国に向かいます。「朝鮮特有の戦略という主張から、体制危機の深化という朝鮮崩壊論のレパートリーが繰り返されもした」とこの2年を振り返りました。

一方、朝鮮側では憲法から統一・民族に関する条項を削除し、領土条項まで新設しました。このことについて、金教授はこう書いています。

「ついに、全く違う南北関係を作るということが選択の領域ではなく、向き合うべき事実となった。すなわち、過去の数十年のあいだ通用した‘南韓と北韓’という関係を解体し、韓半島の平和と統一のための、全く別の南北関係を考案する時代的な使命が、私たちの前にあるという意味だ」

金教授はその上で、「朝鮮」という名前で呼ぶことの意味について、「名前すらしっかり呼んでくれない相手(訳注:韓国のこと)と、民族の統一と韓半島の平和を作る妙案はない」と定義します。

さらに、「韓国が過去、‘南朝鮮’という呼称にきまりの悪さや暴力性を感じたとしたら、朝鮮も‘北韓’という呼称の前に、侮蔑感と脅威を感じたであろう点も記憶すべき」とし、「‘北朝鮮’としても存在しないことにした朝鮮が、‘北韓’という立場で韓国と平和を営むはずがない点も受け入れるべき」と強調します。

そして韓国では、少しずつ‘朝鮮’との関係を模索しようとする声が出てきているとし、朝鮮問題が出るとすぐに政治化する韓国社会において、こうした動きを歓迎しています。

金教授は結論として、「‘北韓’と‘南朝鮮’は単純な名前ではなく、過去の南北関係の習性が凝縮されているからこそ、解体されるべき言語であることは明らか」としています。

その上で、「相手を正確に呼ぶということは、失敗した過去を繰り返さないという意志の表現であり、韓半島の未来を平和と共存として作っていくという決断の始まりである。大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国。この名前でまたやり直すべきだ」と結んでいます。

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いかがでしょうか。韓国との関係を断ち切った朝鮮と、新たな関係を作るスタートラインに立つためにも、そして、これまでとは違う韓国であることを示すためにも、「朝鮮」という呼称を使うべきと整理できるかもしれません。私もこれに同意します。

一方でこの金教授の主張については、色々な反論が可能でしょう。それはそれで意味のあるものです。討論を重ねていけばよいということです。

どこで?

そうです。新生コリア・フォーカスでです。他にはこのような媒体はありません。

もう一本、コラムを紹介する予定でしたが、時間や文字数の関係から明日に回します。

金聖敬さんは、先々週にあるシンポジウムで立ち話をした際にも、「朝鮮と呼ぶしかない」と強調していました。分断が生んだ心の傷に注目して研究を続けてきた方だけに、思うところがたくさんあるのでしょう。

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3. 今日の時事韓国語「기결수」

「キギョルス」と読みます。漢字では「既決囚」です。

今日午後、大法院(最高裁)は、職権濫用、虚偽公文書作成・行使、大統領警護法の違反教唆といった罪で訴えられていた尹錫悦前大統領に対し、被告(尹錫悦)側の上告を棄却しました。

これにより、二審の懲役7年が確定しました。

今日の判決は、8つある尹錫悦氏の裁判のうち、はじめて大法院が判断を下すものとして注目されていました。

特に、尹錫悦氏側が一貫して主張してきた、「高位公職者犯罪捜査処(公捜処)には内乱罪に対する捜査権がない」という主張が認められなかった点で、大きな意味を持つ決定となりました。

また、大統領公邸への強制捜査を大統領警護処が拒否した点も、拒否事由が見当たらないとしました。

最後に、不訴追特権を持つ大統領に対しても、捜査を行うことはできるという判断を大法院が下しました。いずれも前例がない出来事であったため、今日の判断が今後の裁判においても、一つのスタンダードとなる見通しです。

この日、有罪が確定したことで、尹錫悦氏は「未決囚」から「既決囚」となりました。

本来ならば、拘置所から矯導所へと移り、残りの刑期を過ごすことになります。しかし前大統領として、保安や管理に気を遣う上に、まだ多くの裁判を抱える尹氏は、拘置所にとどまるとされます。

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今日は以上です。

母の付き添いのため、大事な会に出席できませんでしたが、仕方ありません。新生コリア・フォーカスではインタビューをバンバンやるので、そちらをご期待ください。

それではまた明日、お届けいたします。日本各地に住む(他の外国にもいらっしゃいます)読者の皆さん、くれぐれもご自愛くださいませ。

アンニョンヒケセヨ。(徐台教)

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