【デイリー・コリア・フォーカス】26年7月28日号

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徐台教 2026.07.28
誰でも

皆さま、アンニョンハセヨ…というご挨拶が今日はふさわしくなさそうです。

周知のように、午後4時半頃に熊本を中心とした大きな地震があったためです。読者の皆様の中には、揺れに直面した方がいらっしゃるかもしれません。ご無事を願ってやみません。

韓国の晩のニュースでも、各局で主要ニュースとして取り上げられていました。

韓国内でも「揺れた」という通報が800件近かったそうです。九州と海を挟んで位置する釜山や慶尚南道では、震度3の揺れがあったとのことです。

地上波SBSが夜8時のメインニュースで日本の地震を伝えています。

地上波SBSが夜8時のメインニュースで日本の地震を伝えています。

今日は7月28日、火曜日です。今日の内容は以下の通りです。

1. 現職大統領の任期を延長?改憲めぐる新任国会議長の「含み」が話題に
2. 朝鮮人民軍のウクライナ戦争への追加派兵、韓国紙の視線
3. 今日の時事韓国語「칠말팔초」

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1. 現職大統領の任期を延長?改憲めぐる新任国会議長の「含み」が話題に

韓国では過去、9度にわたり改憲が行われてきました。最後の改憲は、民主化直後の1987年です。約40年が経ち、当時と現在の社会の違いやその間の歩みを反映した、新しい憲法にすべきという改憲論が盛んです。

過去の改憲。筆者作成。

過去の改憲。筆者作成。

しかし、文在寅政権に続き、現在の李在明政権下でも改憲はうまくいきません。改憲には国会議員全300人のうち、200人の賛成がいるためで、与野党間でしっかりした合意がいるためです。

つい最近では、4月から5月にかけて改憲の動きが盛り上がりました。4月2日のニュースレターで詳報したように、改憲の内容は大きく四つでした。

(1)憲法の題名を漢字からハングルに変更、(2)前文にある「4·19民主理念」を「4·19革命、釜馬(プマ)民主抗争および5·18民主化運動の民主理念」に改定する、(3)大統領が単独で非常戒厳を宣布できないようにするために国会の権限を強化、(4)地域格差を解消し均衡な発展を明記、というものです。

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これらの改憲案は、穏健な内容で有権者の支持も高いものでしたが、最大野党・国民の力の反対に遭い、改憲はなりませんでした。与党と、国民の力以外の野党の議席を合わせても、200議席には届きません。

そして今年6月、禹元植(ウ・ウォンシク)の後任として、与党の趙正湜(チョ・ジョンシク)議員が国会議長に就任しました。62歳、当選6回のベテラン議員です。国会議員の任期が4年の韓国では、2年ごとに国会を前期と後期に分け、議長も交代します。

その趙正湜議長は今日28日、国会で就任後はじめてとなる記者との懇談会を開きました。この席で、改憲への意志を表明しました。「2027年は選挙もなく、改憲に適した時期」という旨のものです。

記者懇談会を広報する国会のバナー。国会事務処提供。

記者懇談会を広報する国会のバナー。国会事務処提供。

先日7月17日の「制憲節(憲法記念日)」でも、2027年に改憲案を作り、国会が終わるまで(議員の任期が切れる28年5月29日まで)の間に改憲を実現させようと述べていたため、この発言には問題はありません。

改憲の内容についても、先に挙げた従前のものに加え、今年6月3日の投票用紙不足事態が示すような、ずさんな選挙管理を改革するといった無難なものでした。しかし、「権力構造の改編」という部分を説明する際に大きくつまづきました。

ある記者が「野党(国民の力)では、現職大統領の任期を延長する改憲を反対している」と聞いたところ、「権力構造の改編に関係し、現職大統領の連任(大統領を二期続けること)などは結局、主権者である国民の世論と、国民の選択の問題である」と答えたのです。

これはまさに「大型炎上発言」でした。

韓国の憲法70条では大統領の任期は5年であり、連任や重任(一度退任した大統領がふたたび就任すること)を禁じています。

また、憲法128条では、大統領の任期を延長または重任へと変更するための憲法改正の効力は、その当時の大統領には及ばない旨を明記しています。

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しかし趙正湜議長の発言は、こうした決まりを乗り越えようとするものに映ったのです。

そうでなくとも、国民の力は、この部分をもって与党の憲法改正に反対してきました。常識的にあり得ない改憲を、あたかもあり得るかのように騒ぎ立て、必要かつ穏健な改憲にも反対を続けてきました。

こんな「陰謀論」としか思えない国民の力に対し、前任の禹元植議長をはじめ、与党の重鎮たちは何度もそうではないと説明してきたにもかかわらず、新任の趙正湜議長がこれをひっくり返してしまった形です。

当然、国民の力は「それみたことか」と猛反発しています。

張東赫(チャン・ドンヒョク)代表は国会で緊急記者会見を開き「ついに本心を表した」とし、「連任(を可能にする)改憲を進めるのならば、それこそが真の内乱になる」と強い口調で迫りました。

国会議長室は慌てて「議長は憲法128条を十分に認識している」と火消しに走り、与党側もこれに加勢していますが、時既に遅しです。韓国のネット上では「これはもう李在明大統領みずからが、きちんと否定する以外に方法はない」という見方が支配的です。

李大統領は現在、外遊中で8月3日に韓国に帰国する予定です。与党と大統領にとっては、最悪の発言となりました。このままでは、2028年までの改憲も難しいでしょう。

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2. 朝鮮人民軍のウクライナ戦争への追加派兵、韓国紙の視線

昨日のニュースレターでも触れた、朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)がロシア・ウクライナ戦争において、ロシア側として追加派兵を行う話。

出どころはウクライナのゼレンスキー大統領ですが、「ロシア側が朝鮮に3万人の追加派兵を望み、関連した議論が続いている」というものでした。

これについて、韓国の日刊紙の中で最も右寄りの「朝鮮日報」と、最も左寄りの「ハンギョレ」が社説で取り上げていました。その視点の差が興味深かったので見ていきます。

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まずは朝鮮日報です。28日付けの社説は「『北、露に3万人をまた派兵』、安保災害を見てばかりいるつもりか」というものです。

韓国の情報機関・国家情報院はこれまで、朝鮮はロシアから派兵の対価を十分に受け取れずに不満を抱いているとしていた点に触れつつ、今回の派兵要請の背景に、既に戦争で100万人以上の死傷者を出しているロシア側の切迫な事情があると指摘。

今後は朝鮮側が望む対価をロシア側が提供するだろうと見通し、その内容として衛星技術や、ICBM(大陸間弾道ミサイル)の大気圏再進入技術、さらに原子力潜水艦に関する技術の可能性があると例に挙げました。

そしてこれらのいずれかが実行されても、韓国の安全保障にとっては「災害」であるとし、韓国の対応を促すものです。しかし社説の最後尾では「米国は韓国への情報制限を未だ解除していない」と、状況の不安定さを強調しました。

これは今年4月、韓国の鄭東泳(チョン・ドンヨン)統一部長官が、朝鮮の核施設の場所を公言したことにより、米国が韓国への情報提供を制限した出来事が、今なお続いていることを示すものです。

つまり、韓国政府の対応は後手後手に回っているという批判です。

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一方のハンギョレはどうでしょうか。やはり28日付けの社説「憂慮される北の対露追加派兵の動き」ではやはり、ロシア軍の損害の多さに触れています。

今月1日、米国の戦略国際問題研究所(CSIS)による、死傷者140万人(死者約45万人)という数値を挙げながら、今回の派兵により、韓国の安全保障に脅威を与える「軍事技術」を受け取る可能性が大きいと見立てました。

そして結論として「今回の事案の申告さを素直に受け止め、米国やNATOとの連帯を強める方法を探すべき」と促しました。

いかがでしょうか。このように、普段は編集方針が異なる両紙が、同じ見解を示しています。これは今回の事案がいかに重大であるのか表しているといえるでしょう。

実際に派兵が行われるのか。ゼレンスキー大統領は、既にロシア側は受け入れ準備を始めているとしますが、韓国側も入念が対応が必要です。

毛岸英の墓を詣でる金正恩氏。朝鮮中央通信提供。

毛岸英の墓を詣でる金正恩氏。朝鮮中央通信提供。

最後に、やはり昨日お伝えしたように、朝鮮は7月27日を「祖国解放戦争(朝鮮戦争)」の戦勝節として祝いました。その傍ら、金正恩委員長はこの戦争で戦死した、毛沢東の息子・毛岸英の墓を詣でています。

この姿を前に、「中国とは昔に肩を並べて戦い、ロシアとは現在肩を並べて戦っていることを強調している」と、韓国メディアで分析している専門家がいました。まさにその通りだと思った次第です。

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3. 今日の時事韓国語「칠말팔초」

「チルマルパルチョ」と読みます。漢字では「七末八初」となります。

これは「7月末から8月初頭」を意味するもので、韓国の休暇シーズンを指す言葉として使われます。ちょうど今の時期です。

今日、知人に会うために金浦空港に行ってきたのですが、家族連れの姿が普段より多く、旅行シーズンであると改めて感じました。

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クラウドファンディングは現在、達成率49.6%となっています。半分が見えてきました。変わらぬご声援に感謝いたします。しかし今日、大きな災害もあり、残る3日間はあまり宣伝宣伝という訳にはいかないかもしれません。

それでもリニューアルの幅を、クラウドファンディングの達成率が左右する部分があるため、できる範囲で続けていきます。最後までよろしくお願いいたします。ありがとうございます。

今日はここまでです。地震のニュースを見ると、次第に被害の大きさが明らかになっていくようで不安が募ります。どうか安全にお過ごしください。

アンニョンヒケセヨ。(徐台教)

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