【デイリー・コリア・フォーカス】26年7月27日号

皆さま、アンニョンハセヨ。
今日は7月27日、月曜日です。韓国も猛暑となっています。時間が遅いので、さっそく本題に入ります。
1. 朝鮮戦争停戦協定から73年、平和はいつ来るのか
今から73年前の今日、朝鮮戦争の停戦協定が結ばれました。
この日は植民地から解放された8月15日や、朝鮮戦争が始まった6月25日と並ぶ、年に数日ある「何かを書かねばならないと意識する日」でして、コラムを書こうと準備していました。
当初のテーマは「朝鮮戦争をどう終わらせることができるのか」というもの。
▲朝鮮戦争とは何か、▲その後約70年にわたってどんな政治的な解決をはかる動きがあったのか、▲ここ数年の大きな変化で既存の枠組みが崩壊、▲それではどうするのか、を起承転結とする4600字のコラムを完成させたのですが、どうにも冗長でつまらない出来のため、一旦放置しました。

朝鮮戦争の激戦地のひとつ、江原道(カンウォンド)鉄原(チョロン)郡の白馬高地付近にある、戦績碑と装甲車。今年5月、筆者撮影。
核心部分となる問題意識は、「非核化なき今、朝鮮戦争はどう終わるのか」というものです。
過去を振り返る場合、朝鮮半島の恒久的な平和は常に、朝鮮の非核化との交換条件で語られてきました。
1994年10月の米朝ジュネーブ合意では、朝鮮の黒鉛減速炉を軽水炉に置き換えるという核問題の解決の代わりに、米朝の政治的・経済的関係の完全な正常化を追求するとしました。
2005年9月の6者協議もそうでした。これは朝鮮が「全ての核兵器と現存する核プログラムを放棄する」代わりに、6者が経済協力を進め、東北アジアの恒久的な平和と安定のために努力し、その交渉を始めるというものでした。本でも書きましたが過去最高の合意です。
2018年から19年にかけての米朝交渉も同様です。「新しい米朝関係」と「朝鮮半島における平和体制」の構築が、「朝鮮半島の完全な非核化のために努力を共にする」ことと並んでいました。
しかし、朝鮮の金正恩委員長は非核化を繰り返し否定しています。憲法にも核保有を書き込んでいます。
今日27日にも、金正恩氏の妹、金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党総務部長が強い反応を示しました。
25日に発表された東南アジア諸国連合(ASEAN)地域フォーラム(ARF)の議長声明において、「朝鮮半島の完全な非核化」という文面に反発する談話を出したのです。朝鮮の核能力は「一瞬の停滞もせず不断に更新される」としました。
つまり、非核化という交換条件がなくなった今、朝鮮戦争の終結を進める動力はどこにあるのかという問題提起でした。
停戦協定に規定される南北の軍事境界線について、朝鮮は先の憲法改正で自国の領土を「北側には中華人民共和国とロシア連邦、南側には大韓民国と接する領土」と明記しました。軍事境界線を「国境」とする視点です。
だからといって、停戦協定の効力がなくなる訳ではありません。国境線として策定するためにも停戦協定を平和協定に転換する必要があるのですが、朝鮮はもはやその必要性を感じていないのかもしれません。
もう少し練って、コラムとして公開します。
なお韓国では今日は「国連軍参戦の日」となっています。朝鮮戦争に国連軍として参加した22か国、延べ198万に及ぶ人員に対し、敬意を表す日です。
韓聖淑(ハン・ソンスク)総理は記念式で「大韓民国政府は、強固な韓米同盟と国連参戦国との協力を土台に、自由と平和を守って行く」と明かしました。
さらに、北韓(朝鮮)を名指ししませんでしたが、「対話の可能性を開いておきながらも、いかなる安全保障の脅威にも揺らぐ事のない備えを維持する」とも述べています。
一方、朝鮮戦争を「祖国解放戦争」と呼ぶ朝鮮で、この日は「戦勝節」に当たります。金正恩国務委員長はこの「勝利」を「奇跡」とし、国家の高貴な思想・精神的な財産であるとしました。
2. 尹錫悦氏に公選法違反で執行猶予付き有期刑判決…確定時、最大野党に約44億円の返還義務
それよりも今日は、非常に大きなニュースがありました。
尹錫悦前大統領に関するものです。
尹氏が大統領候補だった際に出席した21年12月の討論会、さらに翌22年1月のインタビューで行った2つの発言が、虚偽にあたるという判決です。
27日午後、ソウル中央地裁は公職選挙法違反で、尹氏に懲役1年6か月、執行猶予3年を宣告しました。
尹氏は現在、8つの裁判を抱えています。
最も重要な内乱首謀罪、これは24年12月3日の非常戒厳を内乱と見なしそれを首謀したという罪ですが、今年2月一審で無期懲役判決が出ています。
他に高位公職者犯罪捜査処(公捜処)が25年1月に自身を逮捕しようとした際、これを妨害した行為では今月9日、最高裁で懲役7年が確定しています。
さらに、平壌にドローンを飛ばした行為が一般利敵罪および職権濫用に問われた件では、一審で懲役30年が宣告されています。
このような場合、量刑は最も重いものが適用されます。内乱首謀罪が覆る可能性はゼロのため、死刑(執行はなし)もしくは無期懲役となるのが「確定」しています。

27日、裁判に臨む尹錫悦前大統領。収監時と比べ、かなりやつれた印象だ。裁判の様子はテレビで中継された。ソウル中央地裁提供。
それではなぜ、今日の判決が大きなニュースになるのでしょうか。
それは一連の発言の後、22年3月の大統領選で尹錫悦氏が15%以上を得票したからです。
この場合、当落に関係なく選挙費用が全額、選管から補塡されます。当時、尹氏が所属する国民の力には397億ウォン(約44億円)が補塡されています。
しかし、罰金100万ウォン(約11万円)以上の刑が確定する場合、これを全額返還する必要があります。党にとっては大打撃です。
韓国メディア「オーマイニュース」によると、25年12月31日基準で、同党の現金財産は115億ウォン。これでは足りませんが、国会のある汝矣島(ヨイド)の一等地にある党舎の価値は補塡金を上回るため、方法はあるようです。
規定により二審、上告審はそれぞれ3か月以内に行われるため、決着は来年1月末までにつく予定です。尹錫悦氏は今日、控訴しました。もし今日の判決が維持される場合、国民の力の反発は必至です。どうなるでしょうか。
3. 今日の時事韓国語「경프리카」
「キョンプリカ」と呼びます。ちょっとひどい単語なのですが、韓国のニュースで最近登場するので取り上げます。
元は「대프리카 テプリカ」という言葉からきています。韓国4番目の都市、大邱(テグ)とアフリカを組み合わせた言葉です。大邱は盆地で韓国で一番暑いため、こう呼ばれていました。アフリカのように暑いということです。
これが最近になって、慶尚北道(キョンサンプクト)の方が暑いということで、「キョンプリカ」に変わったということです。

大邱と慶尚北道の位置関係です。
猛暑の範囲が広がったという話なのですが、この言葉を聞くたびに「ひどいなあ」と思います。
今日は以上です。李在明大統領の外遊など興味深い話、すべき話は尽きませんが、うまくコントロールしながら続けていきます。
クラウドファンディングも残すところ4日となりました。7月31日(金)23時59分までです。現在の達成率は47.3%まで来ました。皆様のご支援、応援に感謝いたします。
100%は難しいかもしれませんが、ご支援が多いほど今後の仕事の計画が立てやすくなります。最後までご声援よろしくお願いいたします。
それではまた明日お届けします。酷暑、くれぐれもご自愛くださいませ。
いつもありがとうございます。アンニョンヒケセヨ。(徐台教)
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