[53号] 韓国軍がピンチ?軍の中間幹部が年間9000人退職、泥仕合の韓国与党代表選 など
サポートメンバーの皆さん、アンニョンハセヨ。
日本は猛暑のようですね。私は群馬生まれの群馬育ちなので、天気予報で前橋や伊勢崎の気温が日本トップになっているのを見ると「いよっ、日本一!それにしても群馬はホント暑かったよな」とやや誇らしく(?)昔を思い出します。とはいえ気温が高すぎますよね。以前はせいぜい35度くらいだったのが、今や38度が当たり前になってしまいました。
読者の皆さんがどの地域にお住まいなのか、お申し込み時に住所を聞いていないため、実は私には全く分かりません。その上で敢えて話題を振ると、東京都知事選が今日(7日)ありましたね。私は前回4月の総選挙の際にも韓国政治の解説記事などを書いたので、どうしても韓国の選挙や政治状況と比べてしまいます。そして日本の「多様性」にいつも驚かされます。
今回の特徴は2位の石丸伸二氏にあるでしょう。広島の一地域で市長を一期務めただけの人物が東京に現れ、170万票近くを得たことをどう見るのか。TikTokやYouTubeなどのショート動画をうまく使ったとも言われていますが、その辺りの分析を今後、じっくりと読んでみたいところです。私は非常に苦手なタイプですが。
雑談はここまでにして、本論に入ります。まずは今号の特集からです。
◎特集:続々と辞める軍の中間幹部
本来はドキュメンタリー紹介の枠なのですが、ニュース特集にします。今回、取り上げるのは韓国軍を悩ませる中間幹部が辞めてしまう問題について。5月から7月にかけて各メディアが集中的に報じた内容をまとめてみます。
ご存知のように、韓国は徴兵制です。50万人の軍隊のうち、30万人は徴兵制により徴集された男性兵士たちです。うちの息子もあと数年で対象となります。
基本的には18~30歳までの間に入隊し、陸軍の場合は1年6か月の兵役を務めることになります(他にも拒否時に3年の代替勤務を選べるなどたくさんの制度がありますがここでは割愛します)。
しかし尹錫悦大統領が先日「国家非常事態宣言」を出すほどの人口減に悩まされる韓国では、現行の徴兵制では2035年から現在の兵力を維持できなくなることが明らかとなっています(さらに前倒しになるとも言われています)。
このため、募兵制への転換やより多くの人物を対象として公益服務制度といった代案が少しずつ公論化している状態です。つまり、軍を維持するための過渡期的な状況に入りつつあるということです。
今日お話しするのは、そんな韓国軍の「腰」にあたる副士官や尉官級の中級幹部が続々と軍を辞めているという内容です。
5月24日付の『韓国経済』の記事によると、昨年23年に軍を辞めた5年以上の経歴を持つ将校および準・副士官は9481人に上ります。22年に比べ24.1%(1842人)増です。
そしてこの中の43%(4061人)が5年から10年の経歴を持つ中間幹部とのことでした。具体的には野戦の中心となる中士・上士(陸上自衛隊における二等陸曹、一等陸曹に相当)や大尉以下の幹部です。年齢は20代から30代です。
さらに、なり手もいません。4月23日付の『マネートゥデイ』によると、24年度の第一四半期における副士官の選抜率(獲得率)は募集計画の36.7%に過ぎませんでした。
このような傾向は過去5年にわたり続いていたと言いますが具体的な数値が明らかになったのはこの時が初めてだったと同紙は述べています。
軍歴が5年から10年の間の「中期服務転役(除隊)者」の統計です。2021年の2821人から23年には4061人と35%増えています。KBSよりキャプチャ。
そして6月30日になって公営放送のKBSがニュースでこの問題を取り上げました。
その中で転役(除隊)の理由として挙がったのが、▲安い給料、▲頻繁な引っ越し、▲非効率的な業務時間、▲階級定年にしばられた不透明な未来といったものでした。
階級定年というのは、ある年齢になるまで昇進できない場合、除隊を選択する他にないことを指します。正確には年齢定年です。副士官の下士は40歳、中士は45歳、上士は53歳、将校である少尉や中尉は43歳、大尉は50歳といった形です。
ニュースでは除隊した人物が登場し、「軍人はみな同じ苦労をしているのに、進級で落ちる人が出てくる。自身の未来まで不透明な状況で『私が国のためこんなにも犠牲にならなければならないのか』という思いが湧き起こってきた」と語ります。なかなか重い言葉です。
お金の問題も深刻です。現役の上士は「現在も超過勤務手当の支払いが遅れており、過去に遡及して支払われている上に、これすらもお金がなく月37時間に減らすという」と遅配が起きている現状を明かします。
提携媒体
コラボ実績
提携媒体・コラボ実績