[48号 K-9] 金正恩氏の南北関係「路線転換」から半年...定まりつつある韓国保守派の対応 ほか

5月3本目のニュースレターをお送りいたします。
徐台教(ソ・テギョ) 2024.05.13
サポートメンバー限定

 サポートメンバーの皆さん、アンニョンハセヨ。今回は南北関係ならびに朝鮮半島問題(朝鮮半島情勢)に関するニュースレターをお送りいたします。

 最近になって、サポートメンバー(購読者というのが正しい呼称ですね)に新たに加入する方が増えてきました。とてもありがたく、励みになります。ありがとうございます。

 本ニュースレターは、出来事をただ伝えるだけの道具ではなく、共に平和な朝鮮半島を作っていく土台となることを目的としています。一歩一歩、一緒に前に進んで行きましょう。

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 前号でもちらりとお伝えしたように、私は現在6年越しの本を仕上げる最後の段階にあります。

 昨日は日曜日でしたが、朝からカフェにこもり、半日(反日と変換されビックリしました)みっちり書き進めました。うるさい家を避け夜になって再びカフェに出てきてこのニュースレターを書いています。

 今月内の最終締め切りまでは綱渡りが続きます。ニュースレターは極力落とさないようにしますが、その密度は若干弱まるかもしれません。温かい目で見守っていただけるとより励みになります。

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 南北関係というのは、文字通り大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の関係ですが、朝鮮半島問題というとピンとこない方がいるかもしれません。

 もう一度説明しますと、朝鮮半島問題とは「朝鮮半島の軍事的緊張、米朝・南北・日朝などの対立、北朝鮮の核問題」といったものを指します。さらに最近ではこれに北朝鮮での人権問題を含める場合もあります。

 これを休戦中の朝鮮戦争を平和状態に変えることや、米朝・日朝国交正常化、北朝鮮の非核化、北朝鮮の民主化といった形にどう変えていけるのかというところに、現在の朝鮮半島のチャレンジが存在すると理解すればよいと思います。

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 さて、本題に入ります。

 今号は5月9日(木曜日)にソウル市内で開催されたシンポジウムのお話を中心にいたします。

 「変化する統一環境、それでも統一は来る」と銘打たれたもので、主催は『統一とナヌム(分かち合い)』財団です。

 保守紙『朝鮮日報』系列の財団で、日本円で150億円近い純資産を持ち、統一や北朝鮮人権問題といった分野でNGO(市民団体)への支援を大規模に行っています。

 設立から9年と若い財団ですが、その存在感と影響力は朝鮮半島問題に限れば韓国トップ級であることは間違いありません。

 この日、私も会場に訪問し、4時間にわたってすべての発表と討論を聞きました。

シンポジウムの様子。ソウル市内のプレスセンターで行われました。筆者撮影。

シンポジウムの様子。ソウル市内のプレスセンターで行われました。筆者撮影。

 高い関心の理由は「タイミング」にありました。

 昨年末に金正恩氏が「北南関係はこれ以上は同族関係・同質関係ではない、敵対的な二つの国家関係、戦争中にある二つの交戦国関係として完全に固着した」と宣言してから約半年になろうとする中で、韓国社会の反応が見えてきたからです。

 金正恩氏はこの発言を皮切りに、今年1月15日の最高人民会議(国会に相当)では「北と南を同族と誤って導くような残滓的な単語を使わない」、「大韓民国を徹頭徹尾、第1の敵対国として、不変の主敵と確固として見なす」とし、憲法から「自主・平和統一・民族大団結」といぅた言葉を削除することを明かしました(これはまだ実行されていません)。

 こんな「金正恩氏は父・金正日、祖父・金日成が進んできた『祖国統一という偉業を成就するための道』を放棄するのか。それを一体韓国はどう受け止めるべきなのか」という議論にようやくある程度の方向性ができてきました

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 特に保守派の方で、その傾向は顕著です。

 結論から言うと、保守派の意見は「韓国は一貫性を維持すべき」という所に落ち着きつつあるようです。

 その理由についてこの日、ソウル大学経済学部のキム・ビョンヨン教授が明快に説明していました。キム教授は韓国屈指(現役教授としてはナンバーワンかもしれません)の北朝鮮経済の専門家です。

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